4.0
感心させられることしきり
とてもお殿様の描いたスケッチとは思えないクオリティの高さに感心させられることしきりでした。
貂や狼やモグラなどの動物の毛並みの柔らかさ、昆虫類が今にも動き出しそうな感じ、鳥類のリアルさが素晴らしい!でも個人的には、花菖蒲を代表に花木の可憐さ、生命力に見惚れてしまいました。
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日本の博物学は、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて発達し、18世紀には「博物趣味」に熱中する大名が多く現れました。その先駆けの一人が細川家熊本藩6代藩主の重賢(しげかた、1720~85)です。
重賢は、熊本藩の藩政改革や産業奨励、藩校時習館、医学校再春館、薬草園蕃滋園の設立などを行って「肥後の鳳凰」と称される一方、動物、昆虫、植物などに強い関心を示しました。参勤交代の途次では植物採集にいそしみ、精緻な博物図譜を作らせています。図譜に掲載された多様なスケッチは驚くほど細かく描き込まれており、自然に対するひたむきな情熱と好奇心が感じられます。
永青文庫では1991年に「殿様の博物学」展を開催し、所蔵する図譜を多く公開しましたが、本展はそれ以来33年ぶりとなります。
会期 |
2024年4月27日(土)~2024年6月23日(日)
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会場 |
永青文庫
![]() |
住所 | 東京都文京区目白台1-1-1 |
時間 |
10:00~16:30
(最終入場時間 16:00)
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休館日 |
月曜日、4月30日、5月7日 ※ただし4月29日、5月6日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円 シニア(70歳以上) 800円 大学・高校生 500円
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TEL | 03-3941-0850 |
URL | https://www.eiseibunko.com/ |
4.0
とてもお殿様の描いたスケッチとは思えないクオリティの高さに感心させられることしきりでした。
貂や狼やモグラなどの動物の毛並みの柔らかさ、昆虫類が今にも動き出しそうな感じ、鳥類のリアルさが素晴らしい!でも個人的には、花菖蒲を代表に花木の可憐さ、生命力に見惚れてしまいました。
4.0
そもそも肥後細川家の礎、長岡藤孝 (幽斎)は、優れた戦国武将であると同時に、和歌の才に秀で、近世歌学を大成させ、また能楽、茶道、儀式典礼などにも深く通じ、当代一流の文化人でした。その子で初代熊本藩主細川忠興(ガラシャの夫)も父同様、一流の文化人として大変に名高いですね。そうして三代細川忠利の頃には、熊本には独自の武家文化が培われ「肥後細川文化 (肥後六花・肥後能楽・武田流流鏑馬・肥後細川流盆石等)」などとも言われ高く評されています。代々の殿たちは其々に、かなり学問や美術や諸芸に造詣の深いお血筋? の様です。そういえば私たちも知る肥後細川家の末裔、元総理の「殿」と呼ばれた細川護熙氏も、今は陶芸家で茶人で画家としてご活躍していらっしゃいますよね。昨秋銀座で細川護熙展覧会「京洛の四季」を観ました。2014年に京都・建仁寺塔頭正伝永源院へ奉納された襖絵《四季山水図》が展示されていました。護熙氏はそれまでにも、薬師寺慈恩殿障壁画《東と西の融合》や龍安寺襖絵《雲龍図》など、大型障壁画の制作に数多く携わっていますし、全く専業の画家さんの様です。血は繋がっているのですね(笑)。脱線してしまいました。戻ります。
今展は、熊本藩6代藩主の細川重賢(1720~85年)が、日本の博物学の先駆けの一人であって、肥後細川家に伝わる、重賢の遺した膨大な博物資料を公開する展覧会でした。重賢は、紀州藩第9代藩主・徳川治貞と「紀州の麒麟、肥後の鳳凰」と並び賞されたほどの名君であったと知られています。危機的状況だった藩財政立て直しだけでなく、将軍や藩主のための学問所藩校ではなく、家臣や領民、藩外へも広く門戸を開いた日本初めての学校「時習館」を設立し、奨学金制度まで作って優れた人材育成にも注力した人であったそうです。そんな名君も、好奇心旺盛で、中国から伝わった「本草学」に魅せられ熱中し、仕事の合間? を縫って採集(参勤交代の道中にも採集)や飼育と記録に没頭したそうで、画才を活かして諸々の図譜をも制作したようです。今展、重賢の半端ない才能に、圧倒されてしまいました。重賢の絵、本当に凄いです。昨年NHK朝ドラのまんさんの絵よりも、と思ってしまいました(笑)。動物魚類鳥類昆虫類植物、全て、絵の上手さだけでなく、フルカラーで正確無比かつ繊細、更に細かな特徴まで添え書きされていて、《昆虫胥化図》にはなん… Read More
4.0
「殿様」のスケッチブックだから、どうせそこまで大したことないだろうと足を向けたら、想像の百倍以上繊細なスケッチの数々に驚き。
実際にいる生物の解説を見ながらなので勉強になるし、「妖怪?」と思えるような生物のスケッチもありつつ。
大人になってから見る理科の教科書のようで、とても面白い展示でした。
4.0
魚介に動物植物に昆虫
身近…であっただろう数々の生き物たちの姿
詳細なスケッチは観ているだけでも楽しいが
展示の横に実物の写真と解説もあるのがありがたい
押し花や採集された貝殻などの標本類もあり
当時の動物相植物相をも感じることができる
これはいい博物学の展示だなあ
5.0
NHKのアートシーンで紹介された効果でしょうか、意外に混んでました。
魚のおなかの銀色がキラキラで銀箔?(さすが殿様、良い画材を使ってそう)
貝殻が5段の箱にぎっしり(自分で貝拾いしたのかしら?)
小さな丸い器の中に、これまたちっちゃな真珠が並び
赤や黄色、細長いのやら丸いのやら、唐辛子が何種類も描かれたり
毛虫→蛹(飼育籠の網にくっついるってことは、飼育してのでしょうね)→蝶になるまでの観察日記
参勤交代の道中でも、押し花づくり
殿様の目の付け所が楽しく、花や鳥の絵は美しく、ほっこりした気持ちになりました。博物学って楽しい♪
4.0
「お殿様のスケッチブック」というお題に惹かれて行ってきました。お殿様といえば、色々とご政務でお忙しい日々かと思うのですが、その憂さ晴らし(?)に趣味でほっこり。決してプロの絵師とは言えないし、芸術的でもないけど、見ているとこちらも楽しくなってくるし、よく見ているなーと感心しました。私が好きだったのは、海岸で集めた貝殻を大きさと種類別に分類したものとか、お吸い物の貝から出てきた真珠の類がちっちゃな木製の丸い箱?に入れて展示してあるもの。永青文庫は建物自体もレトロでひんやりし、タイムスリップしたかのよう。すぐそばに肥後細川庭園の素晴らしいお庭もあるし、日常生活に疲れた方はぜひ行ってみてくださいませ。近所に美味しい関口フランスパンというパン屋さんもあり、イートインコーナーもあります。江戸川橋駅から歩いて10分くらいかな?
3.0
殿様のスケッチブック、面白かったです。
永青文庫の図譜公開は33年振りとのこと。
最初の展示室の画帖2点は絵柄が大きく達者なので特に見応えがありますね。
所々にある動物豆知識が面白い。
お殿様が夜な夜なこの画帖を手繰って眺めているのを想像するのも良いですね。
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