3.0
好きな作品だけ楽しめればいいかな
「釉薬」を切り口にいろいろな作家の作品が展示されていたので、好き嫌いが分かれると思います。
気に入ったのは小川待子のタイルのような作品と、安永正臣の器のような作品。
小川作品はタイトルが化学式になっていて、組み合わせや並べ方はその都度、作家さんが決めるそうです。
安永作品は器と会場に盛った白い石とのコントラスが綺麗でした。
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2023年夏、エルメス財団は、自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環として、書籍『Savoir & Faire 土』を岩波書店より出版します。本書は、アクト・スッド社と弊財団の共同編集による仏語版『Savoir & faire La terre』(2016)から選ばれたエッセイやインタビューの翻訳と、日本の作家による8つのオリジナルテキストやインタビュー、ポートフォリオが掲載される予定です。本書籍の刊行を記念し、銀座メゾンエルメス フォーラムでは、関連する陶芸作品を集めたグループ展「エマイユと身体」を開催します。
本展では、陶芸に用いられ、火と空気によってガラス質へと変容するエマイユ(釉薬)という素材に注目しながら、粘土と身体の関係を考察します。陶芸家ジャン・ジレル(1947年サヴォア県生まれ)は本書に寄せた論考「Les Emaux(釉薬)」で、エマイユの性質を下記のように観察しています。
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製陶術が発明されるはるか以前、自然界の産物に魅せられた先史時代の人類は、貝殻、歯、亀の甲羅、ターコイズやラピスラズリや翡翠などの奇石を収集しては、宝石や装身具や副葬品にしている。こうした収集物は、のちに釉薬になるものとどこかしら奇妙な共通性がある。磁器〔ポルセーラ〕という命名の由来になったのはある貝の名前ではなかったか?歯のエマイユ〔=エナメル質〕と言われはしないか?
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7人のアーティストたちの作品は、それぞれ、エマイユがもたらす色彩や効果を用いながら、身体との対話を導き出します。エマイユが悠久の時を奏でるジャン・ジレルの風景画、光沢を持つなめらかな表面から感情が誘い出されるフランソワーズ・ペトロヴィッチ(1964年パリ生まれ)の動物たち。安永正臣(1982年大阪生まれ)の造形は、灰や骨が私たちの体の一部であることを思い出させ、シルヴィ・オーヴレ(1974年パリ生まれ)のフェティッシュな箒は、私たちの日常的な儀式を振り付けます。
また、エマイユの被膜効果は、私たちの身体を保護する皮膚や隠れ家を想起させます。ユースケ・オフハウズ(1985年東京生まれ)は、自分の記憶だけを頼りに小さな建築物を建て、内藤アガーテ(1986年モルジュ生まれ)は、セラミックの儚さと共に生きるために、あるいはそのパフォーマティブな器の中に隠れるために作品を用いるのです。大地や水に還元されるかのような小川待子(1946年北海道生まれ)の白い地層は、ひびや欠けに現れるエネルギーの豊かさで私たちを包むでしょう。
会期 | 2023年6月17日(土)~2023年9月17日(日) |
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会場 | 銀座メゾンエルメス フォーラム Google Map |
住所 | 東京都中央区銀座5-4-1 8・9階 |
時間 |
11:00~19:00
(最終入場時間 18:30)
|
休館日 |
不定休 ※エルメス銀座店の営業時間に準ずる |
観覧料 | 無料 |
TEL | 03-3569-3300 |
URL | https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/230617/ |
3.0
「釉薬」を切り口にいろいろな作家の作品が展示されていたので、好き嫌いが分かれると思います。
気に入ったのは小川待子のタイルのような作品と、安永正臣の器のような作品。
小川作品はタイトルが化学式になっていて、組み合わせや並べ方はその都度、作家さんが決めるそうです。
安永作品は器と会場に盛った白い石とのコントラスが綺麗でした。
3.0
全く分からない訳ではないものの、どれも難解な作品だなあと感じました。一見分かったつもりになるものの、実のところメッセージを受け取り間違っていると不安になる(それさえも勘違い)作品でした。
4.0
今回はやきものということで、少し取っつきやすかった上に見応えも充分でした。
一番「おっ!」となったのは安永正臣さんの「再生する器」。
見た瞬間血が騒ぎました。
こちらのHPの出展作品・関連画像の一番最後の作品です。
「石の器」と床に並べて展示されていて、その心は「?」でしたが・・・。
ユースケ・オフハウスさんの手のひらサイズの建築物が天井から吊るされている作品は、手にのっけてなでなでしたい衝動に駆られ、シルヴィ・オーヴレさんのずらっと壁面に飾られた箒は、一本位持って帰りたくなっちゃう愛らしさ(えぐさ?)でした。
勿論両方堪えましたよ、大人ですから(笑)
ジャン・ジレルさんの丸いのも、家に飾るなら・・・と完全に鑑賞というより物色という感じで見てしまいました。
う~ん、どれもいい!ほしい!
メインは多分フランソワーズ・ペトロヴィッチさんで、部屋一室この方の作品。
でっかくて、ぐろかわいい感じが何とも言えず、面白い作品ばかり。
他の作家さんも全部よかった~!
今回は現代アート苦手な私でもこれだけ楽しめましたから、お勧めと言っていいと思います。
展示数はそれ程ないので、銀座にお出かけの際には寄ってみては如何でしょうか。
4.0
陶芸作品、特にエマイユ=釉薬・うわぐすりに注目して選ばれた7名の作品展。釉薬以前に造形も様々、手業のアプローチの違いも明らかに。
シルヴィ・オーヴレの怪物のような造形を柄にたずさえた箒は、子供の作品群みたいでウキウキする。
ジャン・ジレルの風景画のような作品も面白かったし、安永正臣のもろく出土品のような作品群も愛おしい。
ユースケ・オフハウズの小さな建物はひとつ欲しくなった。
釉薬という視点で絞ってもらえると、多様な工芸作品がとても掴みやすく興味深かった。キュレーションの真骨頂。
6月20日(火)混雑無し。撮影可
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