4.0
内容は充実。
先に書いておく。
内容は充実だが、版画が占める割合がかなり高く、受付で「版画の技法について」の説明書きを配布されたくらい。
その次に多いのがスケッチの類、あと水彩。油絵は本当に少ないです。
この内容であれば、このチラシはないだろう。
これでは油絵の展示かと誤解されても仕方ない。
このやり方を多用する館は信用を損ねる。
逆に、版画では人を呼べない、という考えも古いと思う。
茅ヶ崎美術館は襟を正すべし。
いい美術館なのですから、ファンを泣かすようなことはしないで頂戴。
さて内容です。
正直もう付き合い長いので予想はしてたんですが、やはり版画祭りだったわけです。
「グランドツアーズ」「ピクチャレスク」なんて単語も版画展ではよく見ますよね。
イギリスでは、1600年代後半から理想風景画というものが広がって行って(多分都市の生活が荒れてたんだろうね)、1753年に大英博物館ができ、自分とこの素晴らしい風景もまだまだあるし残しておこうよ✨的な発想に到り、印刷技術も上がっていき、画家も版画を制作したりした(多分油絵を本業にしたいのは山々だけど)、って流れかな~と。その頃ターナー、ラスキンなんかが活躍、と。
で、ほぼ郡山市立美術館蔵のもので、生意気をお許しいただくとして、中々ナイスなコレクションだと思いました。イギリスのこれ系の版画を収集し始めた理由なんかもとても気になりました。
特にウィリアム・ブレイクと製作グループを結成してたエドワード・カルヴァートという作家の作品や、サミュエル・パーマーがブレイクに影響受けたと書いてあって、パーマー作品をそんな風には見たことなかったので、ちょっと新鮮に見えたり、ブレイク絡みは嬉しかったな。
あと、日本人作家のスケッチや水彩はほぼ府中市美術館蔵なんですけど、これはどれもとても良かったです。
スケッチ見ると実力わかると思うんですけど、今回どの人のもすごいんだよなぁ。
大下藤次郎の「蓮池」、石川鉄一郎の「八瀬にて」、南薫造「日没」が大ヒット。
不勉強で知らない作家ばかりでかなり興奮。
「日没」はポスカ購入しました。
あれ?・・・独歩はどこに・・・?