4.0
アートと記録の融合
ボタニカルアートは、植物学の正確な観察記録と美しいアートが重なりあったときに
出現するものだと感じました。
朝ドラ「らんまん」でも出てくる植物画。綿密な観察に基づいた正確さがまず求められます。しかし写真のなかった時代、そこには画家・版画家の技量と熱意が記録以上の命を吹き込みます。エングレーヴィングの技術の変遷とともに表現にも変化が。そして一つ一つの版画に施される手色彩。それが記録をアートに変えていきます。
記録という面ではカルペパーの「薬草大全」が印象的でした。初版1653年、展示してあったのは1814年版のもの。何と150年にもわたって挿画の技術を進化させながら版を重ねる超ロングセラー。変化の早い現代に生きる私には新鮮な出会いでした。
またこの日は、美術館で開催されるクラシックコンサートも経験。大谷美術館の見事な庭を見ながら聞くピアノの音はコンサート専用ホールとは違った味わいでした。