鑑賞レポート一覧

英国キュー王立植物園 おいしい ボタニカル・アート 食を彩る植物の物語

英国キュー王立植物園 おいしい ボタニカル・アート 食を彩る植物の物語

西宮市大谷記念美術館|兵庫県

開催期間:

  • VIEW767
  • THANKS3

科学と芸術

私がキュー・ガーデンという言葉を知ったのは昨年のこと。

植物学者のスケッチが箱になったオリジナルのハンドクリームを購入した。

うっとりするようなマグノリアの香りと美しい絵に魅了され、

いつか本物が見たいと思っていた。

念願が叶って今回、原画の展覧会に伺う機会を得た。

原画を見てあまりの繊細さに驚くと同時に、

「そうなんだ、植物というものはもともとこんなに繊細なものなんだ」と納得した。

玉葱の薄皮の一本いっぽんの線、ツルの茎に生えた細かな髭、

オレンジの果肉、洋梨の皮の痛んだ傷、

張り裂けそうなほど艶やかな林檎の皮、

まるで計算されたかのように綺麗に並んだ葡萄の粒、

どれも本物に忠実で美しく生き生きしている。

あるいは絵本の挿絵を彷彿とさせる牧歌的雰囲気。

誰しも懐かしく感じるような穏やかさ。

それがただ芸術から起こったというのではなく、

移り行く時代とともに、科学の面から、経済の面から必要とされて、

これだけ美しい植物画が作成された歴史に感動を覚えた。

絵画の技術の進歩も大きな影響を与えただろう。

私は絵画の技術に疎いから、細かな違いは分からない。

展示場には一つひとつ丁寧に原画の表現法が提示され、

時代を追って進歩していく様子が見受けられる。

科学と芸術の結晶化が始まった時代の雰囲気が十分に楽しめる、

静かだけれども大きなうねりを感じる展覧会だった。

THANKS!をクリックしたユーザー
Nine Livesさん、morinousagisanさん、Sukekiyo-Acckermanさん

鑑賞レポート一覧に戻る

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

※あなたの美術館鑑賞をアートアジェンダがサポートいたします。
詳しくはこちら

CLOSE

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

ログインせずに「いいね(THANKS!)」する場合は こちら

CLOSE


がマイページにクリップされました

CLOSE マイページクリップ一覧を見る


がお気に入りに登録されました

CLOSE マイページお気に入り一覧を見る


を訪問済みに移動しました

CLOSE マイページ訪問済みイベントを見る

CLOSE

name

参考になりました!をクリックしたユーザー 一覧
CLOSE