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英国キュー王立植物園 おいしい ボタニカル・アート 食を彩る植物の物語

英国キュー王立植物園 おいしい ボタニカル・アート 食を彩る植物の物語

西宮市大谷記念美術館|兵庫県

開催期間:

  • VIEW685
  • THANKS3

科学と芸術

私がキュー・ガーデンという言葉を知ったのは昨年のこと。

植物学者のスケッチが箱になったオリジナルのハンドクリームを購入した。

うっとりするようなマグノリアの香りと美しい絵に魅了され、

いつか本物が見たいと思っていた。

念願が叶って今回、原画の展覧会に伺う機会を得た。

原画を見てあまりの繊細さに驚くと同時に、

「そうなんだ、植物というものはもともとこんなに繊細なものなんだ」と納得した。

玉葱の薄皮の一本いっぽんの線、ツルの茎に生えた細かな髭、

オレンジの果肉、洋梨の皮の痛んだ傷、

張り裂けそうなほど艶やかな林檎の皮、

まるで計算されたかのように綺麗に並んだ葡萄の粒、

どれも本物に忠実で美しく生き生きしている。

あるいは絵本の挿絵を彷彿とさせる牧歌的雰囲気。

誰しも懐かしく感じるような穏やかさ。

それがただ芸術から起こったというのではなく、

移り行く時代とともに、科学の面から、経済の面から必要とされて、

これだけ美しい植物画が作成された歴史に感動を覚えた。

絵画の技術の進歩も大きな影響を与えただろう。

私は絵画の技術に疎いから、細かな違いは分からない。

展示場には一つひとつ丁寧に原画の表現法が提示され、

時代を追って進歩していく様子が見受けられる。

科学と芸術の結晶化が始まった時代の雰囲気が十分に楽しめる、

静かだけれども大きなうねりを感じる展覧会だった。

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