忘れてはいけないこと
戦争の悲惨さはいつの時代も変わらない。戦争が始まる前の薄気味悪い高揚感や、戦争中の飛び交う玉石混交の情報の数々、終戦後の喪失感はいつの時代も変わらない。今の日本は平穏無事な日々を送れているが、ここ数年、またすぐ近くで血の匂…readmore
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ニュースや戦争を描いた作品に触れるとき、時代や立場によって表現できることが違うことに気づきます。また当事者として経験したことも、時が経ってからやっと伝えらえることがあるでしょう。
例えば同時代の事件を描けなかった江戸期の浮世絵は、故事や古典になぞらえて時事を伝えようとしました。また自身の軍隊経験を描いた浜田知明は、時を経るにつれ戦争の構造に迫る作品も発表していきます。
展覧会ではこうした視点から当館収蔵品を紹介するとともに、若手アーティストたちの作品も展示。なかでも特集する松元悠は、メディアやSNSが伝えるニュースの現場を訪れて想像を働かせ、当事者の姿を自画像で描くことで、日常と地続きにある「事件と人間の不可解さ」に分け入ります。
本展を通じて過去、現在のアーティストが「出来事との距離」にいかに向き合ってきたかを探ります。
会期 | 2023年6月3日(土)~2023年7月17日(月・祝) |
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会場 | 町田市立国際版画美術館 Google Map |
展示室 | 企画展示室1、2 |
住所 | 東京都町田市原町田4-28-1 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 ※ただし7月17日(月祝)は開館 |
観覧料 | 一般 800円(600円) 大学・高校生 400円(300円) 中学生以下 無料
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TEL | 042-726-2771 |
URL | http://hanga-museum.jp/ |
戦争の悲惨さはいつの時代も変わらない。戦争が始まる前の薄気味悪い高揚感や、戦争中の飛び交う玉石混交の情報の数々、終戦後の喪失感はいつの時代も変わらない。今の日本は平穏無事な日々を送れているが、ここ数年、またすぐ近くで血の匂…readmore
4.0
我が子を食らうサトゥルヌスで有名なゴヤが版画もやっていた事に驚き拝見してみたかったので今回招待券が当たって良かったです。
どれも戦争の生々しさを伺えて、本展のテーマである出来事との距離も感じられるいい展示でした。
4.0
写真が登場する前は版画が写真の役割を果たしていた。そして写真が登場した当時は、焼き増しができなかったから、焼き増しのために版画が使われていた。そんなことを昨年、町田市立国際版画美術館で開催された「版画×写真 ― 1839-1900」で教えてもらったのですが、今回は写真登場前の版画と写真普及後の版画のあり方というか立ち位置が、「出来事との距離」という尺度で見えてきて面白かった。当初はストレートに扱っていたが、時代を追って、出来事の扱いが抽象的になる当たりが、写真とのすみ分けという背景があるような気がする。
ゴヤによる《戦争の惨禍》(1810-1820)からはじまって、浜田知明の《初年兵哀歌》、月岡芳年の西南戦争を扱った作品、そして戦後の風刺版画まで扱って、最後に現代の4人の若手作家を取り上げている。現代の版画作家は出来事との距離がわりと近いのが面白い。ちなみに馬場檮男(ばばかしお)と松元悠(まつもとはるか)の作品が印象深い。松元作品は色味の薄いリトグラフで、その辺も気になるが、さらに漫画も作成していて、ちょっと赤瀬川原平的です。
残念なのは図録がないこと。写真は現代の作家の作品は撮影可。
4.0
版画の最大の特徴は何枚も刷れる事。
よって多くの人に伝える手段としては有効的な方法と言えるだろう。
本人にその意図があったかどうかは不明だが、戦争を描いたゴヤや浜田知明の
作品は多くの人にその悲惨さと凄惨さを伝えたに違いない。
久しぶりに浜田知明の初年兵哀歌シリーズをじっくり見たがこんなにも
胸に堪える作品だっただろうか。物悲しくて切なくて暗い。
自身が経験したからこそ表れる説得力が滲み出ている。
初年兵の諧謔味がかえって、寂しさを増幅させている。
最後の章では若手の作品が揃っている。
ニュースの捉え方も伝え方も個性が出ていて非常に面白い。
今と昔では出来事の距離感もスピード感も全く違うだろうが
それらを伝えることの重要性は変わっていない。
ただ、今は情報に溢れかえっているので、その取捨選択をする力が
重要なのだろう。
ソ・ジオの架空の新聞記事の作品、おもしろかったです。
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