5.0
椅子の美術館
当方、こちらの美術館は初訪問でしたが、駅周辺が京浜東北線らしい雰囲気に類似性を感じながら、事前に地図で確認していた印象をもとに、駅前から見渡せる公園に向かって歩くと程なく到着しました
しっかりした建物でお金がかかっている印象
展示作品は椅子という概念でイメージする家具・道具の作品性でなく、展示の最初にあるデシャンの"自転車の車輪"が本展のキーノートという感想
最初の建築物が洞穴だったことになぞらえて、最初の椅子は石とか段差など座れるもが本質だという思い込みがあるが、人が座るモノとして定着した椅子を物質に還元して戻したところに行き着く先は椅子の機能を喪失したただのモノになってしまい、椅子ではない、そのような人間の認識構造を椅子を通じて展示しているような印象
椅子の魅力はもっといろいろな切り口があるような気がしつつ、その魅力に依拠した展示という点でもっと発展性があるような気がした
副産物産店による実際に座れる椅子や岡本太郎氏の椅子などが展示品かつ座ることができるのは楽しいうえ、「椅子の美術館」としてホールにいくつかの有名な椅子が設置され、実際に座れる点で楽しめた
この美術館は椅子に相当の愛があるかもしれない