3.0
大ボリュームの展覧会
どこまでが浮世絵でどこまでが版画なのかがよくわからないが、この新版画と言われるジャンルは江戸時代の浮世絵よりも日常的で鮮やかで、現代の私にはこちらの方が好み。外国人作家の作品が多いのは特徴。しかし版画の撮影をここまで制限する理由は?邪魔だから?あとガラス越しでしか鑑賞できないため、写真を撮っても撮らなくても自分のシルエット越しにしか鑑賞できないのは残念です。
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新版画とは、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識を継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンルです。伝統的な彫りや摺りの技術に、同時代の画家による清新な表現を合わせようとした版元・渡邊庄三郎(1885-1962)の試みに始まりますが、昭和に入っていくつもの版元が参入し、大きな流れとなりました。
この展覧会では、千葉市美術館が誇る新版画コレクションから、その歴史を通覧します。橋口五葉の《浴場の女》や伊東深水の《対鏡》といった最初期の初々しい名作から、川瀬巴水の情感豊かな日本風景や吉田博の精緻な外国風景、山村耕花や吉川観方による個性的な役者絵を経て、昭和初期のモガ(モダンガール)を鮮烈に描いた小早川清のシリーズ《近代時世粧》に至る、新版画の成立から発展型への歴史を約190点の作品によってたどります。
昨年から東京・大阪・山口を巡回した展覧会の最終展観となる千葉会場では、新版画の先駆ともいうべき、明治末期に来日して日本の職人とともに木版画を制作したヘレン・ハイドとバーサ・ラムの作品約50点もあわせて紹介します。美人・風景・役者各ジャンルの花形作家たちの競演を、伝統技術の粋と革新的な表現の煌びやかな融合をお楽しみください。
会期 | 2022年9月14日(水)~2022年11月3日(木・祝) |
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会場 | 千葉市美術館 Google Map |
住所 | 千葉県千葉市中央区中央3-10-8 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
休館日:10月3日(月) 休室日:10月11日(火) |
観覧料 | 一般 1,200円(960円) 大学生 700円(560円) 小・中学生、高校生無料
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TEL | 043-221-2311 |
URL | https://www.ccma-net.jp/ |
3.0
どこまでが浮世絵でどこまでが版画なのかがよくわからないが、この新版画と言われるジャンルは江戸時代の浮世絵よりも日常的で鮮やかで、現代の私にはこちらの方が好み。外国人作家の作品が多いのは特徴。しかし版画の撮影をここまで制限する理由は?邪魔だから?あとガラス越しでしか鑑賞できないため、写真を撮っても撮らなくても自分のシルエット越しにしか鑑賞できないのは残念です。
大正期から第二次大戦後にかけて展開された、「新版画」の世界を一覧できる貴重な展覧会である。新版画は、絵師・彫師・摺師の分業体制で発展した浮世絵を、大正初期に再興しようとした版元渡邊庄三郎を中心に展開された活動と言ってよいと…readmore
5.0
「新版画」という概念は初めて知りました。とても素敵な版画の数々に魅せられました。
風景画を多く描いた川瀬巴水は、海外での評価が高く、北斎・広重と並んで、名前の頭文字から3Hと呼ばれているそうです。あのスティーブ・ジョブズも、巴水の作品に魅せられ、その後の美的センスや製品作りに影響を及ぼしたと言われています。巴水の風景画では、青が重要な色になっていて、海外から”ジャパン・ブルー”と呼ばれています。
外人が浮世絵に魅せられて、来日し、新版画の一翼を担ったというのも、すごいことです。イギリスから来た女性 エリザベス・キースもその一人。≪藍と白≫は、千葉市美術館で所蔵する代表作のひとつ。本展のフライヤーに起用されています。
樋口五葉の≪髪梳ける女≫は、スティーブ・ジョブズの好きな絵のひとつだったようで、初代Macintoshの発表会でデモ画面に映し出された作品で、「マックの女神」と呼ぼれているそうです。
展覧会の最後には、日本の職人とともに版画を制作したヘレン・ハイドとバーサ・ラムという二人のアメリカ人女性の作品が展示されています。前述したエリザベス・キースもそうですが、女性という点も興味深いですね。
5.0
日本一の新版画コレクションを蔵する千葉市美、今回は27名の作家、約240点の作品が展示。素晴らしいのは歴史や版元に沿って展示されていて、初心者からコアなファン迄たのしめる内容です。更に新版画前史としてヘレン・ハイドとバーサ・ラムの特集展示の部屋迄更に常設展示では小原小邨特集。明治の美人画特集として芳年、豊原国周、楊州周延の作品が多数。浮世絵、新版画好きにはたまらない内容です。
4.0
千葉市美新版画、良かったです!
小原古邨、川瀬巴水、吉田博、山村耕花、橋口五葉と好きな作家を堪能しました。
特に吉田博が充実していて嬉しいです。
北斎広重巴水で3Hというようでなんなら博も加えて4Hで良いのでは。
特集展示のバーサ・ラムも面白い。
企画展はカメラマーク有りの一部作品のみ撮影可能です。
コレクション展にも小原古邨が出ていてそちらは撮影可能でした。
展示替え無し大ボリュームの展示内容です。
お好きな方は半日過ごせると思います。
オススメします。
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