5.0
かなり力の入った最高の西行展。
五島美術館「西行展」に行って来ました。日本の文化に多大な影響を与えて来た「西行」。世に数点しか伝わらない稀少な西行自筆の手紙をはじめ、「西行」をテーマとした古筆・絵画・書物・工芸など、国宝4件、重要文化財20件を含む名品約100点を一堂に、中世から近代に至るまで、西行が時を越えて人々の心に語りかけてきたものを探る、今までにない「西行」の展覧会と、開催前からもかなり話題で、その後の評価も高いし、一応若いころは少々短歌をかじっていた自分としては、行かない訳にはいかない展覧会でした。ということで、11月最終日の朝一、展覧会自体も12月4日までなので残り期間が少なく、私と同じチケットを手にした方々が、やっと雨が上がるか上がらないかの開館前の入り口に列を作っていました。それでも思っていたほどの混雑はなく、ゆっくりじっくり見ることができました。皆さんが書かれているように、とても充実した内容で、かつてない素晴らしい西行展でした。美しい文字と詠草料紙に魅せられ、同じ伝西行筆でも多彩な筆跡も楽しめ、絵巻もゆっくり堪能できました。なんだか古の歌詠みに、ちょっと疲れていた心を、ふわっと包まれた感じです。久々に、短歌にチャレンジしてみたい気持ちにもなりました。加えて、いつもながらの庭園の紅葉がまた素晴らしく、雨上がりの濡れた葉が、一層輝いて、もし西行が居たら何と詠むだろう、などと思いつつ、歩きました。