篠田桃紅 夢の浮橋

菊池寛実記念 智美術館

  • 開催期間:2022年6月18日(土)~2022年8月28日(日)
  • クリップ数:33 件
  • 感想・評価:6 件
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-1
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-2
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-3
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-4
《夢の浮橋》 1990 年 63.5×90.5 ㎝ リトグラフ、手彩
《夜明け》 1967 年 124.0×124.0 ㎝ 墨、和紙に金箔 (撮影:尾見重治、大塚敏幸)
《朝ぼらけ》 1960 年頃 90.0×177.0 ㎝ 墨、銀泥、カンバス (撮影:尾見重治、大塚敏幸)
《山上焚火》 2004 年 59.0×44.0 ㎝ 墨、朱、紙
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-1
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-1
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-1
篠田桃紅 夢の浮橋 菊池寛実記念 智美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

篠田桃紅(1913-2021)は第二次世界大戦後、日本の書の可能性を大きく広げたひとりであり、「墨象(ぼくしょう)」と呼ばれる水墨抽象画の表現を開拓した作家です。1913(大正2)年に大連に生まれ、東京に育つと、幼少よりほぼ独学で書を学び二十代より書家として活動を始めました。やがて従来の書風に囚われない創作に進み頭角を現すと、1956~58年にかけ単身渡米、当時アートシーンの中心だったニューヨークを拠点に水墨の作品を発表し海外でも評価を高めました。

菊池寛実記念 智美術館は、創設者の菊池智(1923-2016)と作家との長年の交流が機縁となり、桃紅作品を館内に常設展示する所縁ある美術館として、これまで二度の個展を開催しています。

この度の展覧会では、昨年3月に107歳で逝去した作家を追悼すると共に、改めてその創造の軌跡を紹介します。展示企画にあたっては40年来、作家のメインディーラーとして活動してきたギャラリー、ザ・トールマン コレクションを監修に迎え、1950年代から晩年までの篠田桃紅の肉筆、版画の他、着物など約50点余の作品を紹介します。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2022年6月18日(土)~2022年8月28日(日)
会場 菊池寛実記念 智美術館 Google Map
住所 東京都港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
時間 11:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日 
7月19日(火)
※ただし7月18日は開館
観覧料 一般 1,100円
大学生 800円
小中高生 500円
TEL03-5733-5131(代表)
URLhttps://www.musee-tomo.or.jp/

菊池寛実記念 智美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

菊池寛実記念 智美術館 菊池寛実記念 智美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

名品あり

8/17の平日にお伺いしました。
混雑はありませんでしたが、そんなに広い空間ではないので5組くらいで少しいっぱい感はあります。
篠田桃紅さんは以前に個展を観て
衝撃を受けファンになりました。
今回も楽しみにしていました。
リトグラフやエッチングの作品も素晴らしかったのですが、美術館の広さ的にやはり大きな作品が少く、ちょっと残念でした。

5.0

墨は心の移ろいを体現するのか

一見抽象画のような作品が多く見られ、どの作品も似たようなものと片付けてしまいそうになるが、自分の中で比較して違いを見いだせたのではないかと思ったのは「静寂」、「沈黙」というタイトルの2作品である。2作品に共通するものとしてはタイトルから連想される“無音”である。しかし、静寂は極端に言えば白と黒の2面に綺麗に割れてる絵画であったが、沈黙は墨に動きがある印象だった。これから察するに、沈黙は口に出さないながら、心の中に何か蠢く感情を潜めているのではないかと感じた。
著書から抜粋した文章がいくつか貼り出されていたが、墨は白黒はっきり決めつけるものではない、濃淡などで様々な表現ができる、といったようなことが書かれていたことを想起させられた場面であった。

4.0

篠田桃紅の世界に触れる

篠田桃紅展が開催されると知り、初訪問。
狭いスペースの中にたくさんの作品が並べられていました。

書家からスタートした桃紅は、歳を重ねるごとに抽象的な世界に身を投じていきます。
文字に囚われない作品を数多く残した桃紅ですが、それらの作品からは囚われないながらも古筆の香りがするものもあります。
「天つ風」からは、伝西行や針切といった細身の古筆の顔が浮かんできて、書の出自を実感しました。

面白い作品が何点もありましたが、特に驚いたのは、桃紅が100歳のときに制作したという大きな作品。
インタビューなどから、晩年でもエネルギーに満ち溢れていたことは分かっていましたが、改めて見ると圧巻でした。
他にも、桃紅と菊池智の交流が窺える着物なども展示されていて良かったです。

また、今回のみの展示ではありませんが、エントランスと回廊の作品は見応えがありました。
これだけでも一見の価値ありです。

THANKS!をクリックしたユーザー
jyusuranさん

4.0

未完の連作

「篠田桃紅 夢の浮橋」書道家からスタートして、墨による抽象画を描くようになった篠田氏。本展示は抽象表現の作品を展示し、併せて彼女のエッセイの一部がところどころに紹介されています。

私は「抽象」なるものが苦手です。結局は「観る側」の捉え方に大きく左右される表現であり、「素晴らしい」と感じても、しかしそれは「画家の能力なのか、観る側の感受性なのか」どちらなのだろう?と判別がつかないからです(勿論どのような芸術も、受け取る側の感受性は常に試されていますが、しかしそれでも。)。
ということで、私は会場にいる間ずっと、篠田氏の”墨や金箔・銀箔”などで描かれた何かを凝視し、彼女の表現したいことは何なのか?を考えていました。その行為はとても静謐な時間でした。今後、篠田さんの別の作品展も観てみたいと思っていますので、篠田さんの作品は、私の貧弱な感受性を刺激する素敵な作品なのだと思いました。

一緒に行った友人は、数点観たところで泣いていました。100歳を超えてなお衰えない篠田さんの創作意欲に対して。そして「彼女の作品は連作のように感じられる。彼女の死によって、その続きをもう観ることが出来ずに悲しい」と言っていました。

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7/12(火)14時半頃に入館。
失礼ながら「智美術館にしては客やや多し」と思いましたが、観にくさを感じることは全くありませんでした。
ところで、智美術館様、図録高すぎませんかね・・・。

THANKS!をクリックしたユーザー
itotomoさん、ぷりんさん

4.0

陶芸専門館で見る桃紅作品は多少疑問だけど、常設展示にある桃紅作品に心惹かれる

菊池寛実記念 智美術館は現代陶芸の専門館なんですが、篠田桃紅の作品が2つ常設されている。一つはエントランスホールにある《ある女主人の肖像》(1988年)という抽象作品で、壁一面を使っていてかなり大きい。ちなみに女主人とは菊池寛実記念 智美術館の設立者である菊池智のことだ。もう一つは展示会場がある地下へ降りていく螺旋階段に沿って展開される作品《真・行・草》(2003年)。階段の壁面には銀の和紙が貼られ、その上に桃紅が書いた「いろは歌」の料紙をコラージュした作品です。つまり、どちらもこの美術館のために作成されたもので、菊池智と篠田桃紅との縁の深さがうかがえる。

一方で、この美術館は陶芸専門で、展示台とか照明などが陶芸作品用に作られている。そういった場所で、通常、立体物が置かれている展示台にリトグラフやエッティングを額装して置いているのは、少々苦しい感じです。

オペラシティギャラリーでの展示と比べると、点数も少ないし、わりと最近の作品が多い。とはいっても、常設作品の2点がちょっとほかにない作品なので、そこそこ楽しめたと思います。

THANKS!をクリックしたユーザー
ぷりんさん

4.0

美しすぎる墨の線

オペラシティーに続き開催された桃紅展だが、こちらも見応えが有る。
エッチングやリトグラフなどは特に珍しい。鉄筆などの引っかき線が新鮮で面白い。

墨の濃淡、緊張と弛緩、面と線の美しい作品が並ぶ。
幅広の刷毛による面が交差する上に細く鋭い「月」の崩し字がスッと描かれて研ぎ澄まされた空間を演出。

エントランスの常設作品や展示室へ続く光の螺旋階段の大きな壁画は必見。
美術館創設者との深い交流が感じられる手書きの着物と帯などの展示も有る。

オペラシティーと違い、こちらは撮影禁止。所々に有る桃紅の書籍の一文が効果的。

THANKS!をクリックしたユーザー
ぷりんさん、morinousagisanさん、他1人

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出展作品・関連画像IMAGES

《夢の浮橋》 1990 年 63.5×90.5 ㎝ リトグラフ、手彩

《夜明け》 1967 年 124.0×124.0 ㎝ 墨、和紙に金箔 (撮影:尾見重治、大塚敏幸)

《朝ぼらけ》 1960 年頃 90.0×177.0 ㎝ 墨、銀泥、カンバス (撮影:尾見重治、大塚敏幸)

《山上焚火》 2004 年 59.0×44.0 ㎝ 墨、朱、紙

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