3.0
小林清親という作家をよく知るための展覧会
滑り込みで初めて訪れる練馬区立美術館へ訪問しました。無料とはいえなかなかのボリュームでしたが、内容はどちらかというと小林清親をよく知っている人がさらに詳しく知るためのものでした。当然ですが完成作品は少なく、しかし肉筆画など面白い作品も多かったです。
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小林清親(弘化4~大正4・1847~1915)は“最後の浮世絵師”とも呼ばれる、明治期を代表する浮世絵師です。明治8年にデビューをしますが、その登場は鮮烈でした。
淡く明るい色調と光と影、天候や時間をも表現した、まるで水彩画のような東京名所シリーズは“光線画”と呼ばれ、人々の絶賛を浴びました。それ以降も、戦争画や歴史画、カリカチュア、戯画などを描き続け、浮世絵の有終の美を飾ると共に、明治生まれの若い芸術家たちに大きな影響を与えました。
練馬区立美術館では 2015年4月に「小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」を開催しました。これは清親の没後100年を記念して開催した展覧会で、そのデビューから最晩年まで、版画、肉筆画、スケッチ、遺品等300点で清親の生涯を辿るものでした。
この展覧会が機縁となって、清親の作品や資料、遺品類約300件の寄託を練馬区立美術館が受けることになり、その中には、世に“小林清親写生帖”として知られ、清親の光線画の源泉となったスケッチブックや未公開の下図や肉筆画、印章などの遺品が含まれています。この展覧会ではそうした未紹介・未公開の貴重な作品、資料を公開し、2015年の展覧会のサプリメント(増補)として開催する小林清親展です。
会期 | 2021年11月23日(火・祝)~2022年1月30日(日) |
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会場 | 練馬区立美術館 Google Map |
住所 | 東京都練馬区貫井1-36-16 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日 2022年1月11日(火) 年末年始 12月29日(水)~1月3日(月) ※ただし2022年1月10日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 03-3577-1821 |
URL | https://www.neribun.or.jp/museum.html |
3.0
滑り込みで初めて訪れる練馬区立美術館へ訪問しました。無料とはいえなかなかのボリュームでしたが、内容はどちらかというと小林清親をよく知っている人がさらに詳しく知るためのものでした。当然ですが完成作品は少なく、しかし肉筆画など面白い作品も多かったです。
4.0
本展メインビジュアルの「アラビアンナイト」を目にして、実物が見たくなり練馬区立美術館へ。
「アラビアンナイト」関連は2作品あって、元ネタになった作品も解説で紹介されていたけど、清親の作品では変えているところがあり、遠くに見える宮殿がSFっぽくて良いなと。
この展覧会は、寄託を受けたという約300件の作品や資料の中から貴重な作品を、過去の展覧会の「増補(サプリメント)」という意味を持たせてお披露目してくれているわけだけど、入場無料という懐の深さが有り難い。
展示作品は下絵や錦絵の元になった水彩画などが多くを占めている中、完成品がわかるように展示されているものもあったけど、ないものでも完成品があるなら見てみたいと思う作品も。
もちろん大判錦絵もあり、中でも「両国焼跡」が印象に残った。
焼跡をさまよう人々がシルエットで描かれていて、ここに描かれているのは生きている人たちなのだろうか?などと、ちょっとホラー思考になってしまったり。
また、個人的には弟子の土屋光逸の作品が3点あったのも良かった。土屋光逸、好きなので。
5.0
サプリメント?
「補う」って意味もあるらしく、オマケぐらいに思って行ってきたら意外と良かったです。
小林清親の浮世絵、戦争画、風刺画などがあり、なんでも描ける画業と実力がわかります。
ですが、やっぱり風景画にセンスを感じました。
写生帖や下図でさえ、生き生きとしています。
明治時代、世の中がガラッと変わたように、それまでの浮世絵を変えた清親。
北斎や広重の構図の緊張感や、鮮やか過ぎる色彩を穏やかにし、「光線画」と呼ばれて、当時の人々を魅了したのがわかる気がします。
昨年、好評だった「電線絵画展」でみた作品もありました。
サイズが小さかったというエピーソードとともに、清親が持っていた裃や烏帽子もあり、当時の下級武士の衣装としても興味深いです。
これだけ見られて無料。
清親サプリメント、とっても良かったです。
5.0
増補ということですが、コレクションの中から、清親の生涯とひととなり、を見つめられる流れのある展示を構成してくださいました。
スケッチブックと作品、戦争、大きな方だったこと、等々、作品を見るだけではないもので、なぜこのような作品を作るに至ったか、が伝わるような展示でした。
これで無料というのはありがたいことです。
雪が降った後で、交差点がツルツルでしたが。。。。。
4.0
清親は大きい人だったそうだ。
頂き物の袴がツンツルテンだったとあった。
なんだか、近くのおじさんのような気がしてきたが、才能あふれる人だ。
おじさんなんて烏滸がましいと叱られそうだ。
明治になってすぐに筆を折ったわけではなく、戦争画やアラビアンナイトの挿絵も描いていたんだと再発見した。
すばらしい。
4.0
清親ファン必見、コアなファンでもおそらく初見作品多数だと思います。作品とスケッチがペアで展示されているのも嬉しい。美しい水彩画、出版に至らなかった水彩画下図更に個人蔵を含む肉筆は7点展示されております。総展示数81点。展示内容、構成をコンパクトにまとめてあるリーフレットも100円で販売中です。
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