5.0
品のある松園
山種所蔵の松園一挙公開も含めての美人画展覧会。
大作の《蛍》は勿論のこと、すだれ越しの《新蛍》も素晴らしかった。想像より小さかった《牡丹雪》も雪の一粒一粒細部まで神経が行き届いて完璧。
松園の美しさは線と輪郭に品が宿っている。例えるのも変だが、ボッチチェリ、ミュシャに通じる感じだ。
松園以外では、片岡珠子がとても良かった。現代的表現なのだが色気のある美人画。重要文化財の村上華岳《裸婦図》も堪能できた。
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生涯にわたり美人画を描き続けた日本画家・上村松園(1875-1949)。このたび、山種美術館が広尾に移転し開館してから10周年を迎えたことを記念して、山種美術館が所蔵する松園の作品を一挙公開する特別展を開催します。
山種美術館創立者で初代館長の山﨑種二(1893-1983)は、松園と親しく交流しながら作品を蒐集しました。《蛍》、《砧》、《牡丹雪》などの代表作を含む所蔵作品計18点は、屈指の松園コレクションとして知られます。
京都で生まれ育った松園は、京都府画学校に通い鈴木松年に学んだのち、幸野楳嶺、竹内栖鳳に師事し、技法の習得に励みました。早くから頭角を現し、江戸や明治の風俗、和漢の古典に取材した女性像を描いて、文展や帝展など数々の展覧会に出品を重ねて活躍します。
美人画の名手として高く評価され、1948(昭和23)年には女性として初めて文化勲章を受章しました。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」と語った松園が描き続けた気品ある美人画は、今なお多くの人々に愛されています。
本展では、松園と同時代に活躍し「西の松園、東の清方」と並び称された鏑木清方や、その弟子の伊東深水の美人画、さらに村上華岳、小倉遊亀、橋本明治などの日本画家による、多彩な女性像を紹介します。
松園の美人画とともに、近代・現代のさまざまな画家たちが女性の姿を描き出した作品をご覧いただきながら、日本画における美人画の世界の豊かな広がりや、その表現の展開をお楽しみいただければ幸いです。
会期 |
2020年1月3日(金)~2020年3月1日(日)
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会場 | 山種美術館 Google Map |
住所 | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
時間 |
10:00~17:00
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休館日 |
月曜日 1月14日(火)、2月25日(火) ※但し、1月13日(月)、2月24日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 1,200円(1000円) 大高生 900円(800円) 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.yamatane-museum.jp/ |
5.0
山種所蔵の松園一挙公開も含めての美人画展覧会。
大作の《蛍》は勿論のこと、すだれ越しの《新蛍》も素晴らしかった。想像より小さかった《牡丹雪》も雪の一粒一粒細部まで神経が行き届いて完璧。
松園の美しさは線と輪郭に品が宿っている。例えるのも変だが、ボッチチェリ、ミュシャに通じる感じだ。
松園以外では、片岡珠子がとても良かった。現代的表現なのだが色気のある美人画。重要文化財の村上華岳《裸婦図》も堪能できた。
5.0
上村松園の描く美人は表面的な美しさだけでなく、内面からの上品さが表に出ている気がする。美人ばかりで本当に楽しかった。
4.0
松園さんの18作品すべて、素敵です。緻密な描写の中にその女性の内面をも描き出す筆。圧巻です。可愛らしさから色気まで、すべてに、どこか凛とした緊張感の漂う女性たち。そのまなざし。思わずこちらも背筋を伸ばして見てしまう感じです。描かれた着物も、髪飾りの類も、本当に素敵です。それから、表装もとても良いですね。そんなふうに思うのは、表具師の小説を読んだり、36歌仙絵巻展で表具のことを色々知らされたりしたせいもありますが。
松園さん以外の作品で、今回目を引いたのは池田輝方「夕立」です。もちろん山種さんの所蔵なので今までにも何度も見ていますが。屏風の曲の向うにあるドラマを、ついつい思ってしまいます。京都絵美「ゆめうつつ」も良かったです。
山種さんは小さな美術館です。千鳥ヶ淵から広尾に移って(今展は広尾開館10周年記念の一つ)も、やはりまだ小さいです。それにファンがたぶんある程度以上の年齢の方が多い、せいでしょうが、平日でもどの時間帯でも、混んでいますが、どちらかといえば午後が空くかもです。
そして山種さんに行ったら、作品に合わせた和菓子の美しい表現もを、ぜひ一緒に味わってください。
5.0
昭和十年代の安定感ある美しい作品から筆力の衰え知らず晩年の館蔵松園作品全点展示。圧巻&美しいです。作品展示になみなみならぬこだわりを感じる山種美術館ですが今回は並び、最高です。この外に修復後初公演池田輝方の屏風「夕方」、重文村上華丘の「裸婦図」、橋本明治、松岡映丘、小倉遊亀、清方、伊藤小坡、深水と見所はつきません。
5.0
お正月にふさわしい、華やかで素晴らしい展覧会でした。
山種美術館に所蔵されている18点の上村松園の作品の全てを観ることが出来ます。
上村松園ならではの澄んだ美しい水色や黄緑色の着物や細かい帯の柄などとても美しく、溜息が出る程です。
優しげで、儚い雰囲気の美人を描かせたら松園は一番ではないかと思います。
「西の松園、東の清方」と並び称された鏑木清方や伊東深水などの美人画も並んでいて、お正月にピッタリの華やかな雰囲気です。自分好みの美人を探してみるのも良いと思います。
ギフトショップで売っていたミニ図録には山種美術館の上村松園の絵が全て掲載されていて、髪形(髷)の解説もありとても良かったです。
4.0
エントランスでチケットを購入する際、なんと着物割引なるものが・・・
申し訳なく思いつつも「ウキウキ」な気持ちに。
作品については
「春芳」の見事な梅
絽蚊帳のラインを描くか描かないかの絶妙な「新蛍」
日本画ならではというより上村松園の表現なのでしょう。
今まであまり日本画に接してこなかった事を反省しつつ家路に。
次回の来館時にはカフェにも立ち寄ろう。
5.0
山種美術館所蔵の上村松園の作品がすべて(18点)がずらりと並び、さらに他の日本画も美人画ばかりで、華やかな雰囲気でした。
松園の作品は、凛とした佇まいを感じる60代のころ作品が好きですが、30代の若いころの柔らかいふわっとした感じの作品も素敵だなと思いました。絞りの点を1つずつずつ書き込んでいる様子や、べっ甲の櫛に髷が透けて見える様子など、実物を間近で見ると気づく点がたくさんあり、楽しかったです。
他の美人画もそれぞれ魅力的でした(片岡珠子が良かったです)。今回は残念ながら写真撮影はすべて不可でしたので、記念にロビーのモニターの横のポスターを撮影して帰りました。
余談ですが、帰りに斜め前(恵比寿駅側)にある、エマーユ美術館についに寄り道しました。フランスのリモージュの陶磁器の「七宝」の作品を中心にした個人コレクターの方の私設美術館です。アンティークのアクセサリーもあり、小さくてかわいくて、きらきらした小物が好きな方にお勧めです。
有料ですが、1階のショップにも展示がありました(見忘れないように!)。美2階の美術館は、ガレーのランプやミュシャのポスターもあり、展示ケースもアンティークの家具のようで、部屋中見どころが満載でした。単眼鏡をお忘れなく。
4.0
開幕後すぐの平日に訪問。まだそれほど人は多くありませんでした。最初にすぐ切手にもなった作品展示があり、その先も情緒豊かな美人画が続きます。どれも穏やかで優しげな表情が美しいです。個人的には「蛍」が気に入りました。松園のほか、鏑木清方、伊東深水などの美人画も展示しており違いが楽しめます。それほど大きい美術館ではないので、疲れることなくゆったりと観覧できました。
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