5.0
見事な松方コレクション
国立西洋美術館の常設展示で鑑賞したことがある、松方コレクションだけでなく、他館の作品(オルセー美術館、大原美術館、石橋財団など)も加わり、見応えがありました。
紆余曲折を経て、日本に返還された松方コレクションの象徴のような、ボロボロになったモネの「睡蓮、柳の反映」も、修復展示されていて、良かったです。
改めて、常設で松方コレクションが鑑賞できることを、嬉しく思いました。
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日本を代表する美術館のひとつ、国立西洋美術館(東京・上野)。印象派やロダン作品の質の高いコレクションに加え、20世紀の巨匠ル・コルビュジェの建築作品として2016年には世界文化遺産にも登録され、国内外からますます注目されています。
このたび、国立西洋美術館の開館60周年を記念し、2019年6月から「松方コレクション展」を開催することとなりました。
同館のコレクションの礎を築いた実業家、松方幸次郎(1866-1950)に焦点をあて、松方コレクションの形成と散逸、そして国立西洋美術館が設立されるにいたる過程を、美術作品や歴史的資料計約160点でたどるものです。
本展では、松方コレクションにまつわる最新の発見や研究成果をふまえ、日本の西洋美術受容史を考える上で欠かせない「松方コレクション」の意義を再検討するとともに、20世紀初頭のヨーロッパの美術品蒐集をめぐる動向に新たな光をあてます。
◆ 松方コレクションとは
神戸の川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長などを務めた松方幸次郎が、1910~20年代にヨーロッパ各地で蒐集した美術品のコレクション。浮世絵約8000点のほか、西洋絵画、素描、版画、彫刻、装飾芸術品など3000点近くにのぼります。第二次世界大戦の前後に散逸、焼失した作品も多いですが、コレクションの一部は戦後、日本へ「松方コレクション」として返還されました。これを保管展示するための美術館として1959年に国立西洋美術館が設立されました。
◆ 松方幸次郎(まつかたこうじろう 1866年1月17日-1950年6月24日)とは
松方幸次郎は、1866年、明治政府で大蔵大臣、首相を歴任する松方正義の三男として鹿児島に生まれました。父を追って1875年に上京、大学予備門を経て1884年(明治17年)に渡米、ラトガース大学を経てエール大学で1890年に民法の博士号を取得後、ヨーロッパを周遊しつつ帰国。
父正義の秘書官や日本火災保険株式会社副社長などを経て、1896年に30歳で神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)の初代社長に就任。1928年に引責辞任するまで同社を率いて発展させ、特に第一次世界大戦を背景とするストックボート(既成貨物船)販売の成功で巨額の利益を上げます。
神戸新聞社社長、神戸商会会議所会頭もつとめるなど、実業家としての活躍の一方で、3回の渡欧時期(1916年-1918年、1921-1922年、1926年)を中心に、美術館建設を目指して精力的に美術品の収集を進めました。川崎造船所社長辞任後も、日ソ石油会社社長や衆議院議員として活躍しますが、1950年に鎌倉で死去。
会期 | 2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝) |
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会場 | 国立西洋美術館 Google Map |
住所 | 東京都台東区上野公園7番7号 |
時間 |
9:30~17:30
(最終入場時間 17:00)
|
休館日 |
月曜日 7月16日(火)は休館 ※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、 9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,400円) 大学 1,200円(1,000円) 高校生 800円(600円)
|
TEL | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://artexhibition.jp/matsukata2019/ |
5.0
国立西洋美術館の常設展示で鑑賞したことがある、松方コレクションだけでなく、他館の作品(オルセー美術館、大原美術館、石橋財団など)も加わり、見応えがありました。
紆余曲折を経て、日本に返還された松方コレクションの象徴のような、ボロボロになったモネの「睡蓮、柳の反映」も、修復展示されていて、良かったです。
改めて、常設で松方コレクションが鑑賞できることを、嬉しく思いました。
5.0
松方幸次郎が集めた作品が、いろいろな困難を経て、日本に戻ったという奇跡に驚くと同時に、恥ずかしながら、国立西洋美術館の建設が関わっていたことを知りました。どの作品を見ても、素晴らしく、感慨深く…特に、1年で修復したという、モネの「睡蓮、柳の反映」は印象的でした。またいつか、この作品たちに会いたいです。
5.0
最終日にようですが書き忘れていたので感想。
国立西洋美術館の成り立ちのコレクション展といえる展覧会と思いました。
散逸した中でこれだけの作品が守られてきただけでもすごいことです。
返還されたなかった「アルルの寝室」ほか数点が日本で観れることは
しばらくないことと思いますので非常によかったです。
3.0
企画展を目当てに上野に行き混雑している時はこちらの常設展に。くらいの頻度で鑑賞しています。
昨年のフィリップス・コレクション展(三菱一号館美術館)の時もそうなのですが蒐集時期に応じた展示は非常に鑑賞しづらいと思います。学芸員の方、ご一考いただければ幸いです。
4.0
松方さんの生き様そのもの、まるでドラマを見ているようでした。絵画そのものを楽しむのは勿論ですが、戦前戦後の動乱がよくわかる展示内容だったと思います。
3.0
素晴らしい作品が所狭しと展示されていて、非常に見応えがありました。
「睡蓮」や「アルルの部屋」などやはり本物はいいな!と。
上部が痛んで損失しながらも復元された「睡蓮、柳~」は、時代背景を考えながら見ると悲しくなってきます。
しかし、常設展で見た作品が目立ちました。(所蔵が国立西洋美術館なので、仕方ないですね・・)そして、説明が少ない気が・・・。所狭しと展示されているので、どの絵がどの説明文なのかがわかりにくく(そんなに絵や作家に詳しくないので)・・・番号とかつけてくれてたらもっと良かったですっ!
5.0
国立美術館クラウドファンディングに参加して、復元されたモネの画を目の前で観れるワクワクが1番の思いでしたが、行ってみると、コレクションのレベルの高さに圧倒される思いでした。
短期間で、こんなに審美眼は磨かれるのか?
資金力ってすご〜ッと思ったり(笑)
平日、有給休暇を取り飛行機に乗って観に行きましたが、ホント人が多い!美術館だけでなく東京は人が多い…人とぶつかり謝りながら見るのだけが難点かな!
でも、最初から最後まで興奮が止まらない展覧会でした。
5.0
土曜日の夜間開館に行きました。夜間と行っても18時くらいでした。意外と空いていて、じっくり鑑賞できました。西洋美術館のコレクション展みたいな感じですが、一度にみられることは貴重でした。オルセーほかの他館からの作品は初めて見るものが多く、興味深かったです。数奇な運命を知ると見方も違ってきました。ドンゲンの「カジノのホール」はコミカルな感じで気に入りました。これから会期末に向かい、さらに混雑が予想されます。平日の日中も混みそうなので、時間が許せば土曜日の夜間開館がおすすめです。金曜日よりは空いていると思います。
4.0
造船会社社長だけあって、海と船のコーナーもありました。松方幸次郎という一人の男性の情熱とロマンを感じられる内容でとても良かったです。会期末の土曜日でとても混雑していましたがそれでも楽しめました。
5.0
絵を見るのは大好きでか。ちょっとそんなにしょっちゅう出かけている余裕はない筈なのに、出かけています。今回の特別展、実ははじめは、いつも見ている常設展と大差ないんじゃないかと、それにコレクションの歴史や松方氏周辺のご苦労などと書簡などならべられても、とあまり関心ありませんでした。今年に入るとあちこちで今回の展示の詳しい情報が入るようになり、やはり見に行かねば、と思うようになった次第。内容については書きません。皆さん書いていらっしゃるしTVでもあちこちと取り上げられています。少し違うけど、横浜の原三渓にしても、昔こうした文化意識が高く、自分のためではなく皆のために、芸術を庇護したリコレクションしたりし、色々を犠牲にしつつも、気概のあるお金持ちさんが、日本にもいたのだと、つくづくありがたく思います。だから私たちもせいぜい、彼らの思いと努力に敬意を表しつつしっかり見たり感じたり学んだりさせて頂こうと思います。
4.0
土曜日の正午頃に来館。
人は多いですが、待ち時間などはなし。
1番初めの睡蓮に思わず心打たれました。
絵の鮮やかさが際立つ紺色のバック。展示の仕方も素敵でした。
間近からあるいは数歩下がって、矯めつ眇めつする時間は本当に幸せでした。
5.0
少し前に読んだ「流出した日本美術の至宝」という書籍に、
この松方幸次郎や原三溪もとりあげられていたので、
同時期に両方のコレクションをまとめて見ることができ、本当によかった。
会場は、はじめの方が窮屈なのと、手紙、書類の展示が見づらいが、
後半の目玉のところは人がたまることもなく見易かったと思う。
スーチンはすごいインパクトで、これはフランスは返さないだろう・・。
国立博物館でも関連企画で松方コレクションの浮世絵を沢山見られます。
5.0
質・量ともに西洋絵画日本一の常設展示を観られる西洋美術館さん。
昔からお世話になっています。
そして、その核となるのが松方コレクション。
オルセー美術館へ伝わった名作たちも観られます。
5.0
随分と昔に何かの企画展の後に、何気なく覗いた常設展。その時、松方コレクションのことを知りました。日本にもこんなに素晴らしい絵が多くあったことに驚き、感動したことを覚えています。
松方は絵のことは良くわからないと言っていたそうですが、これだけのものを集められたのは、やはりものすごい審美眼を持っていたからではないでしょうか。今回の企画展では、戦後フランスから寄贈、返還される際の外交文書なども展示されており、松方コレクションが辿った苦難の歴史が感じられるものでした。絵の収集に莫大なお金と情熱を注いだ松方という人間に興味を持った企画展でした。オルセーにあるゴッホのアルルの部屋も展示されていますが、戦争がなければ本当は日本にあったんだなぁと思いながら、しみじみと鑑賞いたしました。
まだ、松方コレクションを観たことがない方には是非観て欲しいと思います。
5.0
松方コレクション、
普段は常設展では入り口に軽く説明があるだけで
良く分かっていなかった。
松方氏のこんな熱意と、実行力、そして夢のような構想が実現しかけていたこと、その後の散逸の時代という苦難を。
かなり良い展示だったのでは。
惜しむらしくは、展示が光の加減で見づらいことがしばしば。
まぁ、松方氏、理想の美術館を模した展示方法なので仕方ないですが。
とにかく、今この時代に、この場所で、絵に向き合うことの幸せを感じる展示でした
4.0
松方コレクションの事を「知らなかったのだ」…と。
常設展示やテレビなどで何度か見て知っていると思っていました。いつもと違った展示場所で新鮮な感覚で拝見しました。
ゴッホの「アルルの寝室」や大原美術館で見たモネの「積みわら」、ブリヂストン財団の「エドゥアール・マネの肖像」もかつて松方が買い求めた作品であった事に驚きました。
5.0
ほとんど知らずに見ていた松方コレクション(いつも常設展示室にあるので・・)
実は本当はとってもすごい苦労をかいくぐって、現在に至ることを今回初めて詳しく知り、本当に驚きと感激しました。
戦時中にどうやってこれらのコレクションが生き延びてく来たのか、そのためにどれだけの人が苦労して、それでも守りたいと思った作品たちが今、こうして生きていることに感動します。
修復作業された幻のモネのスイレンも、CGで見ることもでき、これが本当に完全に修復されたらすごいことだと・・・展覧会で絵画の鑑賞をするとともに、戦争の悲惨さを思い、平和な世界であってほしいなとをあらためて考えさせられました。
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