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強烈な色彩に惑わされた展覧会
練馬区立美術館、板橋区立美術館等、都内にはいくつかの区立美術館がありますが、なぜか世田谷美術館には「区立」の名称がついていません。今回気になって調べてみると世田谷美術館は「公益財団法人せたがや文化財団」が管理運営している美術館とのことです。区が直接運営するのか外郭団体に運営を委託するのかの違いでしょうが、区立と称さない理由を初めて知りました。
世田谷美術館は緑あふれる砧公園の一画にある好きな美術館ですが、アクセスの悪いのが難点で、今までは用賀駅から本数の少ないバスを利用するか、徒歩で通っていました。今回はあるイベントに参加したついでに千歳船橋駅からのバスを利用しました。やはり本数が少ないのですが、狭い道路を回り道する用賀駅からのバスに比べて快適でした。
前置きが長くなりましたが、本題の展覧会は世田谷ゆかりで「太陽の画家」と呼ばれた刀根山光人の30年ぶりの回顧展とのことです。
ところが、私にとっては「刀根山光人(とねやまこうじん)」という名は記憶になく、どんな作家なのか未知の画家でした。
入場して直ぐのホールにはメキシコで収集した大量の仮面、置き物やマヤ、アステカ文明の遺跡の拓本が並べられており、どこかの民俗資料館に迷い込んだような光景に驚かされます。あんな巨大な拓本をどのように採ったのでしょうか。
以下、彼の作品は、Ⅰ初期の仕事、Ⅱメキシコへの旅、Ⅲ世界への旅、Ⅳ祭り、Ⅴひろがる創造の世界の5章にわけ展示されていました。
初期の作品はデフォルメされているものの何が描いてありかがわかる具象的な作品が多かったのですが、途中で岡本太郎風の強烈な色彩の抽象画に変貌します。画家の紹介コーナーには岡本太郎のリトグラフを印刷したのは利根山光人らしいとの記載がありました。二人の接点はあったようです。画風も岡本太郎の影響を受けたのかもしれません。
晩年の作品は強烈な色彩が薄れてきましたが、最晩年の〈ドン・キホーテ〉が印象的でした。
強烈な色彩に惑わされた展覧会でしたが、未知の画家の作品を楽しめました。30年前の展覧会も世田谷美術館で開催されとのことですので、刀根山光人の作品をまとめて観られる機会はしばらくはないのかもしれません。














