3.0
ビデオ作家が受賞して、ビデオも平面だと改めて気がつく。ただし出展数が減ったのが残念
展示会場は隙間が多く点数が少ない、というのが第一印象。従来は会場にはいってすぐのところに4点はあったが、今年は1点だけ。点数が減った理由は図録によると「ハラスメント防止のためのガイドライン」を策定したため、とのこと。VOCA展は賞などを決める選考委員が推薦委員を選定して、その推薦委員が出品作家を推薦する。ハラスメント防止のためのガイドラインの規定で、推薦委員は単年での依頼となり、前年とは一新されたため減ってしまったそうだ。昨年は31組だったのが、今年は23組になった。
それでも、気になる作品はあったし、覚えておこうと思った作家も何人かいる。もちろん、推薦委員についても、何人か名前を覚えておこうと思った。
気になったのはビデオ作家がVOCA賞を受賞したこと。今までもビデオ作品はあったけど、受賞は初めてだそうです。VOCA賞を受賞した宮本華子《在る家の日常》は適当に見ていると、ビデオがあるのか分からない。細長い家の模型に窓が開いていて、そこに液晶モニターがはめ込まれて、家事やら介護やらを行っている映像が流れている、という不思議な作品。VOCA賞をとっていたので、少し時間をかけて見た、というのが正直なところ。
ちなみに、VOCA奨励賞となる諫山元貴《Objects #21》もビデオ作品で液晶モニターを4枚組み合わせて、384個のオブジェを格子状に並べて表示している。それぞれのオブジェが徐々に崩れていく、という作品。こっちの方が趣味です。さらに、ちなみにもう一つのVOCA奨励賞は小林万里子《The Five Domains》で、刺繍ベースの作品。というわけで、平面作品というとまず思い浮かぶ油彩画はVOCA賞佳作で登場する程度。日本画や版画に至ってはなしで、平面作品もかなり変わってきた、という印象です。まあ、出品点数が少ないのが原因では、とも思ってます。えーと、写真撮影は可、図録ありです。