開館50周年記念特別展
浅井忠、あちこちに行く
-むすばれる人、つながる時代—

千葉県立美術館

  • 開催期間:2024年10月30日(水)~2025年1月19日(日)
  • クリップ数:16 件
  • 感想・評価:4 件
開館50周年記念特別展「浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代—」 千葉県立美術館-1
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浅井忠《漁婦》1897 年、キャンバス・油彩
浅井忠≪藁屋根≫1887 年、キャンバス・油彩
浅井忠《農耕の図》1902-07 年、紙・着彩
浅井忠《グレーの塔》1901 年、紙・水彩
浅井忠≪フォンテンブローの夕景≫1901 年、板・油彩
浅井忠《絵皿》1901 年、陶芸
浅井忠《洋上の夕陽》1902 年、紙・水彩
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

近代洋画の先駆者として知られ、また日本画や工芸、図案など多様な分野で活躍した浅井忠(1856-1907)。昭和49年の開館以来、千葉ゆかりの作家として浅井の作品収集及び調査研究につとめてきた千葉県立美術館は、約190点の作品と約1,500件の関連資料という、日本有数の浅井忠コレクションを有しています。本展は、合計350点以上の浅井忠作品・関連資料を一度に見ることのできるまたとない機会となります。

当館では昭和50年に「浅井忠とその師弟展」、昭和56年に「浅井忠と京都洋画壇の人々」展、平成10年に「―没後90年記念―浅井忠展」を開催、この他全国公募の「浅井忠記念賞展」などを経て、開館50周年となる節目の年を記念して本展を開催することで、浅井に関する50年の歩みを統括し、次の50年につなげます。佐倉藩の江戸屋敷に生まれた浅井は、幼少年期を佐倉市で過ごし、明治9年に日本最初の国立美術学校「工部美術学校」第一期生としてイタリア人画家アントニオ・フォンタネージより西洋画を学びました。以降、日本の農村風景などを油絵で情感豊かに描いています。東京美術学校西洋画科教授に就任の2年後となる明治33年にフランス・パリに留学し、流麗な線が特徴の「アール・ヌーヴォー」と呼ばれる表現に感銘を受けてデザイン活動を開始しました。帰国後は京都に移住し、京都高等工芸学校教授を務めるほか、聖護院洋画研究所を設立し後進の育成にも尽力しました。

開館50周年を記念し企画された本展では、同館が所蔵する4つの日記を軸に、同館所蔵の浅井作品を一挙公開、他館からも作品を借用してご紹介します。さらに、工部美術学校在学時の練習用デッサンやフランス時代の句集、浅井が様々な人と交換していた絵葉書や書簡といった貴重資料の一部を作品とともに展示することで、その多岐にわたる活動に隠された、知られざる人物像に迫ります。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2024年10月30日(水)~2025年1月19日(日)
会場 千葉県立美術館 Google Map
展示室第1・2・3・8展示室
住所 千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
時間 9:00~16:30 (最終入場時間 16:00)
休館日 月曜日 
月曜日が祝日に当たるときは開館し、翌日休館
年末年始(12月28日〜1月4日)
観覧料 一般 1,000円(800円)
高校・大学生 500円(400円)
65歳以上・中学生以下・障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料
※( )内は 20 人以上の団体料金
ただし、高校・大学生はアンケートへの回答で無料
TEL043-242-8311
URLhttps://www.chiba-muse.or.jp/ART/event/events/event-6396/

千葉県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

画業を超えて、生きざまの全貌を見せてくれます

明治の洋画の先駆者のひとり浅井忠氏の画業、更には真摯な生きざまの全貌を俯瞰する力のこもった展覧会でした。浅井忠という画家、人物として好きになります。

重文指定作品を二作(東博蔵《春畝》・東京芸大蔵《収穫》)も描いている重要画家の大展覧会なのですが、借用してきていません。そもそも主催者も「代表作品を網羅した名品展ではありません」と謳ってます。県立館として千葉ゆかりの浅井にコミットし、膨大な作品・資料収集や調査研究を深めてきたその成果を、当館50周年の機に集大成披露されていて誠に天晴、敬意を表します。

浅井忠が画壇の中でも、またその外でも、多くの同時代人に慕われていたことがよくわかります。展示構成の最終章「弟子たち」では、晩年の京都時代に浅井の周りにいた梅原龍三郎、安井曾太郎らの珠玉の作品が並ぶが、これこそが浅井の人生の”作品”かと省察させらます。また、そのコーナーの手前には、浅井の最期に寄せられた弔辞・弔電が多数展示されており、西園寺公望・原敬など凄い面々、実に立派で感銘しました。

工部美術学校時代、バルビゾン派を汲むフォンタネージに師事し、農村・農民を描く画風を確立してゆきます。その後フランスに留学するのはずっと後の40歳の頃。フランソワ・ミレーに通じるこの画風形成は留学前なのですね。代表作の一角の油彩画《藁屋根》《漁婦》はもちろん素晴らしいが、風景画《曳舟通り》等のペン画表現も完成度高く気に入りました。

フランス留学時代の幅広い活動ぶり、そして、明るい色調を得た画風の変化も興味深い。先に留学を果たした黒田清輝と同じ宿に長期滞在しており、そこでモデルを描いた作品を残してます。その一つ《編みもの》、なんとなく清輝の《読書》っぽくて面白い。百年前の日本男子にとって、そのとき感じたモノが同じだったのかな。

2時間近い時間をかけて本展を見終えて。館内の彫刻作品や、レトロ感とともに歴史を感じる意匠凝らした立派な建築も楽しみました。1974年の開館以降、ほぼ毎年3回開催の企画展の全チラシが時系列でパネル展示されていて、これも壮観です。

エントランスを出たところ、パレットと絵筆を手に隆々と立つ緑色の浅井忠像がお見送りしてくれました。

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん、にゃんちゅうさん、morinousagisanさん

4.0

浅井忠の人柄も伝わる展示内容

浅井忠は佐倉藩の藩士の子として生まれて、少年時代は佐倉で過ごした画家です。
なので千葉県立美術館としては、とても重要な人物でコレクションも豊富にあります。
開館50周年記念ということもあって、力のこもった展示内容です。

浅井忠は、日本で初めての洋画の団体「明治美術会」を立ち上げた中心人物です。
自分で絵を描くだけじゃなくって、みんなと交流して洋画を世に広める活動も熱心だったんです。こういう社交性、社会性、面倒見の良さも浅井忠の人柄で、いろいろな人に影響を与えた人生だったことが良くわかる展示内容になっています。

しかし京都で現役でバリバリに活躍していた時に、リウマチで入院していた病院で心臓麻痺のため51歳の若さで急死してしまいました。
いろいろな人・組織の弔辞まで展示されていますが、とても惜しまれた死だったことが伝わってきました。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん、morinousagisanさん

4.0

日本・近代・美術に興味がある方におすすめ。

浅井忠、あちこちに行く。千葉県立美術館。
冒頭のあいさつ文に
「浅井の人気ある代表作品を網羅した「名品展」ではありません。貴重で重要な借用作品、資料も展示されていますが、ほとんどは当館所蔵のものです。実はこれほどの規模で、浅井のコレクションをみなさまにご覧いただく機会は初めてのことになります。」
「それまで気がつかなかったのが不思議なような新しい発見がもたらされたり、見る者の個人史のなかの細部と展示物が共振する対話が起きたりします。」
350点以上の作品と資料。日本・近代・美術に興味がある方におすすめ。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん

REPORT

浅井忠、という明治期の画家のこと、こんなに丁寧に紹介された展覧会は初めてでは…

ここまで一人の画家に対して、丁寧に、心を込めた展覧会を拝見することは、初めてかも。
まず、驚くのが、展示室入口の「ごあいさつ」パネル。狭い行間にビッシリと詰まった小さな文字。
この序文(館長や学芸の声)から、日頃の作業を通し…readmore

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん、Camdenさん
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出展作品・関連画像IMAGES

浅井忠《漁婦》1897 年、キャンバス・油彩

浅井忠≪藁屋根≫1887 年、キャンバス・油彩

浅井忠《農耕の図》1902-07 年、紙・着彩

浅井忠《グレーの塔》1901 年、紙・水彩

浅井忠≪フォンテンブローの夕景≫1901 年、板・油彩

浅井忠《絵皿》1901 年、陶芸

浅井忠《洋上の夕陽》1902 年、紙・水彩

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