「特別展 相模川流域のみほとけ」 神奈川県立歴史博物館
コロナが全国的に猖獗を極める中、行われた当展覧会。パンフに用いられた仏は病気平癒を祈願する薬師如来、コロナ収束を願って選ばれたとのこと。実際に対面すると中々の迫力で、鎌倉時代から信仰されてきた事も頷ける。東博で行うような全国の文化財を集める展覧会ではないのですが、東国の力強さが感じられる一体一体を近くで向き合って鑑賞でき、コロナで外出も少なかったため、久しぶりにびびっと来たひと時を過ごすことができました。どのような素材で、どのような時期で、どうしてこのような補修や傷みを抱えているのか、あるいは細部の截金や彩色、宝冠などの表現もつぶさに観察可能、仏像に詳しくない私でも様々な想像、発見をすることができました。夢窓疎石の肖像が興味深く、作者が同一なのか判らないですがどの作品も皴の深さなどを除けばよく似ており、実在の人物像を掴んでいるではと思わせる写実性がある。他阿真教坐像は病をそのままに表現した顔だそうで、合掌の表現は必見の価値があると思われました。信州善光寺の絶対秘仏を写したとされる三尊も拝むことができますよ。11月24日、平日だからかもしれませんが混雑も密もなく、集中して鑑賞し物思い出来ました。是非足を運ばれてはいかがでしょうか。