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東京国立博物館で三時間歴史旅行 京・寛平御時后宮歌合(十巻本)

国宝室には時代が下って草書で書かれた平安時代の和歌の書が鎮座しておりました。清書された完成品ではなく、訂正の跡も見られる珍しい巻物。国宝室は、またも素人表現全開ですが、やはり目玉の宝が置かれます。正月には水墨画の最高傑作とされる松林図屏風が展示されております。私はまだ目にしたことはありません。

書体のバリエーションというものは明朝体なんて書体があるくらいで中国由来のものも多いだろうが、草書体は読むことも出来ない。ヨーロッパの古い文書もくねくねした筆記体で書かれている物は沢山あるだろうが、基本的にはアルファベットで書かれているのだから変化パターン数が大いに異なる。この巻物ではありませんが、特に仮名は文字なの?というくらい線が流れている字を見たことがあります。この巻物でも意味が読み取れたのは貫之(解説によると紀貫之?)のみ。それでも平仮名、あるいは片仮名の後の世に対する功績というものは大では無いでしょうか。少なくとも今では漢字抜きでも表音文字として機能しているから、生活には困らないかも知れません。逆を言えば常用漢字も全て書けるか怪しい自分がいます。無理ですね。国宝室に展示されていた書は、寛平御時后宮歌合(かんぴょうのおんときのきさいのみやのうたあわせ)と読むそうです。難しい!

個人談になってしまいますが学生の頃、江戸の街のくずし字を読まなければいけない講義を受けたが、単位を取るのがギリギリだったのを思い出しました。一応、五十音(江戸時代では「いろは」だと思う)1文字ごとに字体の表があり、それに照らし合わせて読んでゆくのですが、文字の個性が強く(癖が強い)また簡単な文字程、勢いよく書いているので書き手個々人に書体があるのでは?と思わされるものでした。これで世界屈指の識字率を誇った江戸町人は大したもんだと思います。


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