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東京国立博物館で三時間歴史旅行 山形・羽黒山、松鶴鏡

卑弥呼と聞くと本当に謎めいた人物だと思う。聖徳太子や明智光秀以上か?それでも歴史上に名を残す最古の王?巫女?だろう。しかし、凄いことに東博には卑弥呼と言う歴史の霧の隙間に光が差すような、親近感を感じられる品物があるんですなぁ。平成館「紀年銘鏡と伝世鏡」という展示の鏡、実は卑弥呼が魏から貰った品という説があるそうです。一番古いものは青龍3年という紀年が確認できるそうで、西暦だと235年。1800年の時を超えてクニの始まりを伝える鏡が目の前に。もしかしたら具体的な年が示されている遺物としては日本最古のもの?

鏡の存在は東博で際立っていたと思う。古墳の副葬品の鏡、経塚に収められた鏡、仏の姿が刻まれた鏡、山岳信仰の鏡、平安貴族の鏡、江戸の手鏡。どの時代の鏡も神秘的なオーラを放っているよう。大手コンビニ3社より数が多いと言われる神社に行けば、今でもお社の中で神鏡は暗闇の中で輝いている。中でも霊峰出羽三山の一峰、羽黒山の御手洗池から出土した鏡の意匠は一周回って現代的に見えるから不思議。特に松と鶴という、お正月デザインのものが素敵でした。(銅鐸に鶴亀が鋳込まれているのも驚きでしたが)重厚な屋根の社殿の前にある緑豊かな鏡池も印象に残っていたので、羽黒山に登った記憶がよみがえりました。鏡は池の中で数百年も眠っていたわけで、それほど大きくはないあの池が存在し続けたのは不思議な気もしますが、出羽の山の信仰の厚さというものも窺える気がします。鏡というと光を反射するためか、太陽と結び付けられることが多いと思いますが、水の中に鏡を納めるというのも珍しく感じました。昔の人は澄んだ水面に神を見たか。


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