アイ ラブ 百人一首
嵯峨嵐山文華館|京都府
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日本画から万葉集の一首を関連付けて観てみると
嵯峨嵐山文華館のHPには、「万葉集について」のタブがあり、万葉集について解説されています。嵯峨嵐山文華館は、万葉集をテーマとする美術館です。藤原定家が百首を撰んだと伝わる山荘があった小倉山近くに嵯峨嵐山文華館はあります。
万葉集へ親しみを深めてほしいの気持ちも込めての企画展です。
福田美術館所蔵の日本画の中に万葉集の一首を見つけ出して、一緒に鑑賞してみるとまた違った情趣が湧きあがってくるかもしれません。あるいは万葉集があって福田美術館所蔵の日本画が1点1点ピックアップされたのかもしれません。
展示作品には、作品と画家の説明に百人一首から撰んだ一首が添えられその現代語訳も載せてあります。いつもながら丁寧な解説パネルやキャプションで学芸員さんの気持ちが伝わります。
万葉集の中から日本を彩る四季折々、季節の移ろいを詠んだ和歌を日本画にみる1階展示、見事な夜桜を描いた「現代の琳派」加山又造の豪華が真っ先に目に入りました。ウィキペディアによると「相国寺東門前町に西陣織の図案家加山勝也の子として生まれる」とあり、御所側で生まれ育ちはたんやなぁ。福田美術館でも東山魁夷と同時代の画家としても紹介されていましたが、金や銀を用いた装飾的な表現は、やはり西陣織の図案を見て育ったことも影響しているでしょう。その隣にあった村上華岳《白梅》梅のボコボコした太い幹を隅の濃淡で表現して、細くスッと伸びる枝は墨の濃淡で遠近を表して、見事です。
はてはて、この絵にはどんな和歌があてられているのかと見るのも楽しでした。
百人一首には月や秋を詠んだ和歌が多く、自らうら寂しきと落ち着きそうです。
長沢芦雪《月夜紅葉図》なーんだかよくありそうなテーマですが、芦雪は絹地の元の白さを残した外隈で月を表現して、紅葉を左上から斜めに描いて月にすこーし掛け、描かれたモチーフは紅葉だけなんですよね~うまいなぁ。
愛しい気持ちを詠った作品は多く、そのほとんどは恋愛の嬉し楽しではなく、あなたが居ない寂しさ悲しさ、恨みツラミを詠んだものが圧倒的に多い印象です。
2階の畳敷きの展示室のテーマは「愛おしい」それは恋の相手だけではなく、家族や友への親愛の情も含まれています。
上村松園《月可希》(つきかげ)月を描かずして月の光を表現しています。松園さん描くS字形の女性が月を見上げて、その後ろにそっと影が描かれており、いやー粋やわぁーとなる。決して大作ではないが、このような小さなお軸にも松園さんの良さが出ている。松園さんの美人画では、着物の裾模様や髪形、帯の結び方にもご注目ください。東山魁夷とともに上村松園の展覧会は必ず入る。3月末から大阪中之島美術館で「生誕150年記念 上村松園」が始まります。またかぁとも思うのですが、でもやっぱり観に行ってしまうだろうから、松園著『青眉抄』を最近読みました。
全く知らなかった日本画家、山内信一、西山翠嶂に師事した京都画壇の日本画家らしい。《十二ヶ月花鳥図屏風(右隻)》柿本人麻呂の「あしびきの・・・」から始まる有名な一首が添えてあります。これもやはり独り寝の寂しさ侘しさを詠った歌です。屏風の真ん中の扇に描かれた山鳥。山鳥の番は夜には谷を隔てて別々に寝ると当時から伝えられていたようで、描かれた山鳥は木にとまり尾を下げて一羽で眠っているとの解説になるほどなーとなりました。
せっかくなので、2階の屏風は畳に座して拝見してはいかがでしょう。
近くの梅林だよりによれば、梅の開花も今年は3週間も遅いとか。3月末から4月初めにはカフェテラスから桜もながめながらゆっくり出来ると良いですね。こちらのカフェは少しお安めです。
観覧料高騰のこの頃、福田美術館との共通券がお得な気がしています。
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- BY morinousagisan