東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき
東京都美術館|東京都
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これからぜひ注目していきたいスウェーデン絵画黄金期をじっくり。
北欧スウェーデンと言えば、まず家具や照明デザイン、それからヘムスロイド(家庭手工芸品)などが思い浮かびます。今展は、これまで日本ではなかなか紹介されることが無く、触れる機会の少なかったスウェーデン絵画(19世紀末〜20世紀)が、楽しめる貴重な機会です。
この頃スウェーデンにも、憧れのパリに学んだ画家たちが多くいて、彼らが帰国後、でもさすがです。決してパリカブレにはならず、より自国のアイデンティティを示すべくスウェーデンらしい芸術の創造をめざし、自然や身近な人々、あるいは日常にひそむ輝きを描き、自国画壇を牽引し、スウェーデン絵画の黄金期を築いていく様がうかがえる、そんな展覧会でした。
国立のトーハクや西洋美術館や近代美術館さんの企画展特別展が、ちょっと寂しい年度替わりのこの時期、今展もやや地味目にうつります。都美術館特別展で80点は中規模? ポスターにもなったメインビジュアルのアウグスト・ストリンドバリ《ワンダーランド》にニルス・ブロメールの《草原の妖精たち》も、美しい、けど特段に目を惹く作品とは思いませんでした。美しいけれどちょっと怖い感じも受けました。豊かな美しい自然に広大な大地、妖精たちの住む土地スウェーデン。正反対に山と水に囲まれた狭い日本は、美しいけど閉ざされた自然と八百万の神々や精霊たちが住む土地です。でも何故か少し似た感覚もあったりします。展示主軸のカール・ラーションはスウェーデンを代表する画家で、これまでにも結構観て来ていました。家族や日常生活をテーマにした作品を、何れも明るくそして温かく、幸福感あふれている作品を、非常に多く残している人ですね。会場に短いVTRもありました。厳しい自然の中にあっても、人々は皆幸福、シャングリラ?ユートピア?ちょっとうらやましいなんて‥(笑)。
平日午前の会場は無料の藝大卒業・修了作品展より空いていました。ゆっくり鑑賞できて良かったのですが。私の今日の一枚は、グスタヴ・フィエースタード《冬の月明かり》です。北欧の長い夜、星空のもと樹霜に覆われた雪深い森が広がっており、細かな筆致で色が重ねられ、雪の冷たい輝きが装飾的に表現されています。雪がキラキラして見えて、絵具に鉱石でも? などと思ってしまいました。ニルス・クルーゲル《夜の訪れ》も惹かれましたが、ちょっとゴッホ感がありました。
100%スウェーデン! の今展。どれか有名な一点というモノでもなく、とくに華やかではないものの、とても良い展覧会でした。楽しめました。