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第77回 正倉院展

第77回 正倉院展

奈良国立博物館|奈良県

開催期間:

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約1300年も伝世品として伝えられてきた品々が伝えること

11月2日(日)の日美は「正倉院展」です。毎年正倉院展の会期の真ん中で正倉院展を紹介しています。
『正倉院 THE SHOW』も大阪展に出かけ、面白いなぁとその後正倉院宝物について本も読みました。Youtubeで公開された<正倉院展講座>第77回正倉院展のみどころ 三本周作・奈良国立博物館主任研究員も視聴して、見どころをチェックしました。
展覧会が始まってからは、奈良博の研究員さんが推しの作品をYoutubeで紹介されています。
これらを参考にお出かけになるのも良いのではないでしょうか。

今年は奈良博にとって記念YEARでもあり、目を惹く宝物が多いように感じました。また、宮内庁正倉院事務所による学術的調査の成果も多く紹介されていました。
その代表的なのが、「黄熟香(蘭奢待)」。樹種が判り、香りの成分分析されてその香りが再現され、『正倉院 THE SHOW』再現された香りを嗅いでみたかたもいらっしゃるでしょう。また、と放射性炭素年代測定によって、伐採あるいは自然に倒壊した時期が判明したことでいつ頃正倉院へ入ったのかも判りました。

展示される宝物の中でも、華やかな工芸に目が惹かれます。最初に展示されている寄木細工の双六盤《木画紫檀双六盤》、この双六盤を収納した籐(ラタン)で細かに編んだ《漆縁籧篨双六局龕》、象牙製のサイコロ、水晶やガラス、琥珀製の双六の駒、その駒をしまう箱、サイコロを振る筒と双六一式が展示されていました。
聖武天皇が光明皇后らとこれで遊ばれたのかもしれない思いを馳せてしまいます。それにしてもこの双六盤の木画の精緻なこと。かなりの熟練工人が制作したに違いないと思うのですが、それにしても細かい。こんな細かい仕事を老眼鏡なしで出来るのか?家業としていた当時の工人は若くしてこれほどの技術を身につけていたのでしょうか。

聖武天皇の身近に置かれていたと考えられる、君主にとっての戒めの格言を表している《鳥毛篆書屏風》、シルクロードの産物がふんだんに使われて中国の唐で制作されて日本へ舶載されたと考えられている《平螺鈿背円鏡》などは、その制作手法の解説を読むと物凄―く手間がかかっていますし、高度な技術と抜群のデザイン、色彩センスです。それは、大きな唐花模様のフェルトの敷物《花氈》にも言える事ですが、何年か前の日美でこの制作過程を紹介していたことが鮮明に思い出されたのでした。

今年のメインヴィジュアルになっている《瑠璃坏》特別室の特別な独立ケースで360度から見る事ができ、照明の具合もあって本当に美しい。これの再現の制作工程を『正倉院 THE SHOW』で紹介していましたね。とても印象的でした。坏身の外側につく丸い輪っか。吹きガラスで本体をこしらえて、熱くしてコロコロと転がしながらこの輪っかをつけていました。制作過程は現在と全く変わらない。ガラスは西アジアで作られて、台脚の裾にある模様からこちらは東アジアで作られてと考えられています。脆いガラス製品がシルクロードの終着点にたどり着き、約1300年もの間伝世品として大切に守り伝えられてきた象徴的な宝物だと思いました。

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