
大和の美 ~古都を彩った絵師たちの競演
奈良県立美術館|奈良県
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南都奈良ではの作品群でした
アートアジェンダさんからチケプレが届いて伺ってきました。(チケットありがとうございました)実を云うと奈良県美は施設も古く、展示室配置、順路もあまり好きではない。美術館独自のHPもない。職員さんたちは大変だろうなぁと思ってしまう。奈良在住のライターさんによれば奈良県美は良い所蔵を沢山おもちだとか、それが生かし切れていなく、また広報も出来ていないなぁと常々感じています。
奈良は、私にとっては京都より遠く運賃もかかるので、さぁ行くぞーと意を決して他の展示と抱き合わせて出かけます。奈良県美⇒奈良博と奈良公園内だけでよく分かりませんが、京都市内とは外国人観光客の感じも違っている様な気がしました。
京都を描きたい撮りたい画家や写真家が居るように、奈良の四季や行事、古社寺、仏像を作品にしたいと思った作家は多い。本展は絵画が時代を追って展示されていました。京都は京都市内で完結しがちですが、南都奈良から南朝のあった吉野や明日香と多武峰、室生寺、長谷寺等々奈良の守備範囲はとても広い。
それ程期待していなかった分、最初の展示室でわーッとなりました。序章は「古代、ヤマトの美」として「模写」が展示されていました。
《高松塚古墳壁画(北壁・玄武)》昭和49年(1974) 絹本着色・額装 奈良国立文化財研究所 飛鳥資料館蔵
前田青邨監修でお弟子さんが模写したものです。和紙にモノクロのコロタイプ印刷した原寸大の壁画に、漆喰をイメージした白色の胡粉下地に顔料で彩色して再現しています。画家の個性を抑え統一した画面にする為に壁画の輪郭線以外は小さな点描で描かれているそうです。高松塚古墳が発見され永い眠りから急に外気が入り込み、一気にカビが発生して取り返しがつかないことになり、古墳から壁画を剥がし、気の遠くなるような黴取り処理を行うことになったのです。
《法隆寺金堂壁画第9号壁模本》明治時代(20世紀)頃 絹本着色・軸装 京都国立博物館蔵 美しい。明治期に博物局の委嘱で桜井香雲による《法隆寺金堂壁画模写》の副本です。桜井香雲は、日本画家・田中友美の門人となり、古画の模写で画技を身に着け、明治10年代より博物局の依頼により宝物類の模写に携わり、現状模写の先駆と説明されています。昭和24年模写事業中の失火により焼失し、文化財保護法制定のきっかけとなったことは皆さんご存じのとおりです。本作は、焼損前の状態を写し取った貴重な史料です。それにしても本作自体がとても美しく、法隆寺金堂壁画に思いを馳せました。
《聖徳太子二王子像 御物模写》和田貫水 明治30年(1897) 絹本着色・軸装 奈良国立博物館 聖徳太子1400年遠忌に奈良博で「聖徳太子と法隆寺」展が開催された際に、期間限定で文化庁本も展示されました。こちらも展示されましたが、文化庁本の模写です。
この後は時代を追って中世から現代までの奈良ゆかりの絵画作品が展示されていました。談山神社所蔵の住吉如慶・具慶筆《多武峰縁起絵巻》は、昨年談山神社で蘇我入鹿の首が飛ぶ場面を見たのでした。芦雪や探幽もありましたが、柳沢淇園の《関羽像》この時代の超写実がうかがえて面白い。鹿を描く作品は当然ながら多く、それも千疋や百疋と描いて奈良ならです。近現代の洋画も展示されていましたが、須田国太郎と須田剋太、中沢弘光は不思議な世界観でした。近現代の日本画では、奈良県美と言えばの不染鉄が1点、やはり美しかった松園さんの《春宵》こちらは撮影OKでした。シルクロードを描いた平山郁夫、シルクロードの終着点ですから大きな作品でした。
併設展示『大和の工芸』正倉院宝物の研究、修復、復元模造制作から、奈良独自の工芸技術も受け継がれています。北村昭斎は、「螺鈿」の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝と、「漆工品修理」の選定保存技術保持者です。(奈良国立博物館HPより引用)《玳瑁螺鈿花形盤》はそれはそれは見事で美しかったです。
3/1(土)14時から担当学芸員によるギャラリートークがあるようです。観覧料は800円でとてもお安いです。
期間限定展示、関西初公開!「秘仏 深大寺元三大師坐像」を見に奈良博へも行ってきました。毎年この時期恒例の「お水取り」の展示も見てきました。
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- BY morinousagisan