「知ってる?建造物修復の現場 多神社」なら歴史芸術文化財村
「多坐弥志理都比古神社(おおいますみしりつひこじんじゃ)通称:多神社(おおじんじゃ)」の修復現場のバスツアーに参加させていただきました。「多神社」は春日造としては奈良の「春日大社」に次ぐ規模の建造物で奈良県指定文化財に指定されています。
このツアーは実際に神社に伺って解体現場を拝見するだけでなく、解体されたパーツがどのように調査・補修・保管されているのか「なら歴史芸術文化財村」の工房で説明をしていただけます。長期間に渡り、高額の経費を必要とする文化財保護の難しさや奥深さが実感できる貴重な体験となりました。
新たな材料を使って新築すれば、もっと安価に早くに終わる工事ですが、現在の日本では質の良い木材を確保するのが難しいこと、また先達の技術を後世に継承したいという理由で調査・保護・補修を優先させる工事がなされています。
文化財保存のためには、材料や技術者の確保など一朝一夕では解決できない問題がたくさんあります。観光資源としてだけでなく、自然や文化の継承という長期的な視点で考えることが必要になってきます。
税金の使い道として、どこまでこだわって保存を行うのか、立場によって判断の分かれるところですが、そういう問題を「自分事」として考えるためにも色んな人にこういう体験をしていただけたらと思い、ご紹介しました。
「なら歴史芸術文化財村」では、今後もバスツアーの開催を予定されています。
12月2日(土) 重要文化財「旧織田屋形大書院」
2月3日(土) 県指定文化財「万法寺本堂」
ご興味ある方は是非、参加してみてください。