「万博と仏教」高島屋資料館
本展では、過去の万博で紹介された仏教関連の建物や展示品を紹介し、捉え方や扱いの変化について解説されています。具体的には西洋開催の万博で展示された「仏教」関連の建物や仏像が東洋文化への興味や憧れをそそるものであったのに対し、大阪万博では「信仰の象徴」として展示されたことが指摘されています。
大阪万博で実際に展示された仏像(模造品)に加えて、参加したアジア諸国のパンフレットも展示されているのですが、観光産業を活性化させたい参加国の意気込みが詰め込まれていて「これからアジアは発展していくんだ」という活気のようなものが感じられます。
大阪万博での仏教の取り扱いが変化したのも、そういう時代背景やアジア諸国の観光客の好みを意識したものだったのかも知れません。
インターネットやスマートフォンの普及で、多くの人が気軽に海外の情報にアクセスできるようになり、万博というイベントの存在理由は少なくなっているように感じます。
一時的な大量消費で経済効果を上げるという方法は、大手企業や一部の政治家ばかりが潤って一般人の生活を豊かにするようには思えません。長期的、生産的な視野を持った人が行政に携わってくださるといいですね。
高島屋資料館は2部屋に分かれていて、常設展示室は高島屋の歴史が感じられる展示になっています。なんと天保2年(1831年)創業だそうです。資料館がある「高島屋東別館」は重要文化財に指定されていて、建物外観だけでなくアールデコ調の内装も美しいです。しかも入場料無料です。
1階のフードホールはインバウンドを意識してか、ゆったりした配置になっているので、落ち着いた時間を過ごしたい方におすすめです。
開催期間:8月5日(土)~12月25日(月)
場所:高島屋資料館 企画展示室
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/