4.0
作家達の幻想が微細に表出する作品群
ファンタジー要素より幻惑的な作品が多め。微に入り細に入り描かれた作品が多いので、テーマ自体だけでなく超絶技巧にも驚かされた。
私の目当ては門坂流。恐るべき線での表現。おびただしい線の流れが画面を作り上げ唯一無二の作品を作り上げていた。もしかしたら私には見えていない線もあるのではと思えるくらい。
ヴェンダーリヒ、多賀新、ベルメールのようなエロティシズムに満ちた作品も素晴らしく、どれもが独自のなまめかしい線で目が離せない。
清原容子の構築の完璧さ、細かい事象が組み上がられるさまは、圧倒的で時間を奪われた。
ヤンセンに期待していたのだけど、もっとふさわしいのがあった気もした。
精緻な作品が多い中、菊池怜司のカルテのような作品がシンプルに思えて新鮮だった。
知らなかった作家もいたが、テーマにぶれがなく良い企画だった。
ちょっと解説が難しい。美術館のHPで、館で配っている小冊子のPDFをダウンロードできるので、予習しておくのがいいかもしれない。
どなたかが書いていたが図録はないし、ポストカードも1枚くらいしかない。
これは文句言っても仕方ないんだけど、最悪なのは館の場所。
この猛暑に、たどり着いたときは汗だくw
7月25日(木)11時半入館。混雑無し。一部撮影可。