4.0
肉筆の素晴らしさ
浮世絵の肉筆のみを集めた展示が素晴らしかったです。
目玉である応為の「吉原格子先之図」のみでも見る価値がありました。
光と影を大胆に描くことでとても幻想的な作品になっています。
格子戸前の遊女はシルエットのみで表情が見えない。
実際は提灯の灯りで見えるはず…
そのためにその心情を慮ってしまう。
雰囲気は浮世絵と言うより西洋画のようで
提灯に描かれた隠し落款も洒落ています。
メナード美術館の「夜桜美人図」も観てみたいと思いました。
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葛飾応為(かつしかおうい 生没年不詳)は江戸時代の浮世絵師で、葛飾北斎の娘でもあります。世界で十数点しか作品が確認されていないのにもかかわらず、北斎とも異なるその印象的な作風は多くの人を魅了し続けています。
中でも代表作として知られる「吉原格子先之図」は、遊廓である吉原の光と闇を美しく描いた名品。本展では約3年半ぶりの出品となる同作とともに、太田記念美術館所蔵の肉筆画を多数展示します。
肉筆画とは、浮世絵師が筆で紙や絹などに直接描いた作品のこと。浮世絵師と彫師、摺師の協力で制作され、多くの枚数が摺られる版画とは異なり、絵師が直接仕上げる一点ものです。太田記念美術館所蔵の肉筆画コレクションは、古くは菱川師宣から喜多川歌麿、葛飾北斎、明治時代の小林清親に至るまで、浮世絵の長い歴史や幅広いジャンルを偏りなく含むことで知られています。応為の作品とともに、さまざまな絵師たちによる肉筆画の競演をお楽しみください。
会期 | 2023年11月1日(水)~2023年11月26日(日) |
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会場 | 太田記念美術館 Google Map |
住所 | 東京都渋谷区神宮前1-10-10 |
時間 | 10:30~17:30 (最終入場時間 17:00) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,000円 大高生 700円 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ |
4.0
浮世絵の肉筆のみを集めた展示が素晴らしかったです。
目玉である応為の「吉原格子先之図」のみでも見る価値がありました。
光と影を大胆に描くことでとても幻想的な作品になっています。
格子戸前の遊女はシルエットのみで表情が見えない。
実際は提灯の灯りで見えるはず…
そのためにその心情を慮ってしまう。
雰囲気は浮世絵と言うより西洋画のようで
提灯に描かれた隠し落款も洒落ています。
メナード美術館の「夜桜美人図」も観てみたいと思いました。
4.0
なかなかの大混雑ぶりでした。平日の午前、太田記念美術館さんでここまで混んでいたのは、初めてかも知れません。吹き抜け部の2階袖壁添いに設けられた平置型の覗きケースが『大江山絵巻』のみであまり使われていなかったので、展示作品数はいつもよりやや少なめのはずです。50点程?です。それでも展示ケース前に何人も重なるようにして観る状態で、単眼鏡に頼りつつ人の後ろから覗き込む感じで観て回り、最前に行けたら今度は後ろが人でいっぱいで下がれなくなるなど、なかなか疲れました。外国の方々がとても多かったのは、団体さんか何かだったのでしょうか? 太田記念美術館さんもインターナショナルに知られる美術館になっていたということでしょうか。それは良いことなのかもしれませんね。
『葛飾応為「吉原格子先之図」―肉筆画の魅力』というタイトルながら、HPもわざわざ言っているように、葛飾応為の作品は『吉原格子先之図』一点のみです。それでも「肉筆画の魅力」というだけあって、菱川師宣から喜多川歌麿、葛飾北斎、明治の月岡芳年、小林清親に至るまで、ちょっと変わった岩佐又兵衛、司馬江漢などまで、有名どころの浮世絵肉質画、オンパレードです。これだけの一点物の浮世絵に出会えるのは、本当に貴重な機会です。まず最初の北斎『羅漢図』に、件の応為に、歌麿『美人読玉章』、この三点、すごくいいです。その後も、この絵師、こんな絵も描いていたの?という感じのバラエティーに富んだ内容で、見応え満点です。それから版ものの浮世絵は額入りが一般的ですが、肉筆画はやはり軸装されたものが多いです。着物の帯にも、と思うような素敵な布が使われていたり、絵と表具の両方を楽しめ、とても面白かったです。
2015年に杉浦日向子さん原作のアニメ映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~(漫画は1980年代に連載)』や、朝井まかてさんの2016年の小説で2017年にTVドラマ化された『眩〜北斎の娘〜』。他にもコミックや小説等では色々描かれていて、その人気から北斎の娘お栄(画号応為)はあちこちで取り上げられていますね。太田記念美術館さんでは、3年半前「開館40周年記念肉筆浮世絵名品展」で『吉原格子先之図』が展示されて以来3年半ぶりだそうですが、私はもっと前、2014年の『葛飾応為「吉原格子先之図」-光と影の美』展以来でした。2020年秋にはトーハクで『月下砧打美人図』を観まし… Read More
5.0
葛飾応為「吉原格子先之図」は見るたびに深く引き込まれる。
光と影の絵師は明治の小林清親と言われているが、応為はもっと前に描き負けていない。
むしろ提灯の明かりで描くなんて、勝っているに違いない。
もっと評価されてもいいのではないか?
5.0
館蔵肉筆浮世絵の名品展。岩佐又兵衛、葛飾応為、北斎、歌麿、広重、芳年、清親等時代を代表する絵師の魅力的な作品群、希少な鈴木春信の肉筆、磯田湖龍斎の初期作品や天童広重も3組展示中です。更にあまり観る機会の少ない有名絵師の弟子筋の佳品も展示、個人的にこちらがかなり良かったです。宮川一笑、二代歌川豊国、勝川春好、歌川豊清、喜多川月麿等々、1点物の肉筆浮世絵の魅力が堪能出来る展覧会です。
3.0
肉筆浮世絵イイですよね。好きです。
北斎、歌麿、歌川派の絵師がやはり達者で見応えあります。
葛飾応為はバロックみたいなハイコントラストな陰影が異質。
欲しいのは小林清親の両国橋。カッコいい。
場所柄外国人観光客が多め。今回は北斎歌麿出てますしね。
結構混み合っているのでお早めにどうぞ。
5.0
数年前から見たかった応為の肉筆画がようやく見られましたー!
もっと大きなものを想像していたけれど、普通サイズの掛軸に横長の絵なので、さらに小さく感じました。
で、肝心の作品ですが、光と闇のコントラストが極端なのに、違和感なく画面の中に入り込んでしまう感覚になるんですよ。外から明るい室内を見る男目線と、内から中を覗き込む男たちを見る女目線を切り替えながら見ることで、画面のすみっこに自分がいて、そこから見ているような気になります。群像画が好きでよく見るんですが、今までやったことがない鑑賞方法になりました。
応為作品は1点のみで、あとは肉筆画コレクションの展示でしたが、手の込んだ表装ばかりで、それだけでも見る価値が十分あります。小林清親の黒っぽい「両国橋之図」にピンク色の表装が使われていたり、描き表装あり、刺繍の表装あり、楽しい表装がふんだんに見られます。
「佐野川市松の人形遣い」や「雪中常盤御前図」などテーマの面白い作品も多く、肉筆画っていいなぁとあらためて思いました。
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