5.0
魂
正直広い会場ではありませんでした。しかし、そこにあった作品は一枚一枚がこちらにどうしようもないやるせなさや必死に生きている思いを訴えかけるようでした。特に「私の話を聞いてくれ」を見た時の衝撃はすさまじく胸が痛くなりました。
鴨居が戦後の身体の一部を失った人への思いを綴った作文のようなものは鴨居の思いがそのまま伝わってきて素晴らしいものでした。
入場料が500円、リピート割もあるのでぜひ訪れてほしい展覧会です。
何度も行きたい空間でした。
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鴨居玲(1928-1985)は自己の内面を鋭く抉り出し、内の燃えさかる光をカンヴァスに描く画家として人気を博しています。
金沢美術工芸専門学校(現 金沢美術工芸大学)で宮本三郎に師事した後、二紀展などに出品して制作活動を続け、パリそしてスペインへ新天地を求め旅立ちます。特にスペイン、ラ・マンチャ地方のバルデペーニャスでは、村の人々との交流を通じて多くの傑作が生みだされ、それら老人たちに己を重ねて後の作品にも大きな影響を与えました。そして「教会」に神の存在を問いかけその不条理を形象化しました。混沌を極める現在、鴨居の絵は私たちに自己を見つめる大切さを問いかけています。
本展では、「自画像」を中心に「老人たち」「教会」「婦人像」など、鴨居が心を込めて描いた油彩画、デッサン約40点を展観します。人間ひとりひとりの内面にある孤独、不安、または運命といった陰の世界、また愛に対しても正面から対峙し、‘人間とは何か?’を問い続けて57歳でこの世を去った鴨居芸術の軌跡をたどります。
会期 | 2022年9月14日(水)~2022年12月4日(日) |
---|---|
会場 | 中村屋サロン美術館 Google Map |
住所 | 東京都新宿区新宿3丁目26番13号 新宿中村屋ビル3階 |
時間 | 10:30~18:00 (最終入場時間 17:40) |
休館日 | 火曜日 |
観覧料 | 500円 ※高校生以下無料(高校生は学生証を要提示) ※障害者手帳提示の方、および同伴者1名は無料 ※リピート割引有り(会期中に当企画展の半券提示で200円割引) |
TEL | 03-5362-7508 |
URL | https://www.nakamuraya.co.jp/museum/ |
5.0
正直広い会場ではありませんでした。しかし、そこにあった作品は一枚一枚がこちらにどうしようもないやるせなさや必死に生きている思いを訴えかけるようでした。特に「私の話を聞いてくれ」を見た時の衝撃はすさまじく胸が痛くなりました。
鴨居が戦後の身体の一部を失った人への思いを綴った作文のようなものは鴨居の思いがそのまま伝わってきて素晴らしいものでした。
入場料が500円、リピート割もあるのでぜひ訪れてほしい展覧会です。
何度も行きたい空間でした。
4.0
鴨居玲、良かったです。
鷲掴みにした喉元に刃を突き付けてくる迫力があります。
首吊り自画像襖は凄まじい。アレは流石に欲しくない。
絶筆、スペイン、廃兵、私の話がとっても魅力的でした。
一部アクリルケース無しで間近で鑑賞出来ます。
やはり鴨居玲はイイ、好きです。
4.0
鴨居玲の絶筆をメインビジュアルにして、自画像を中心にした展覧会。
「人間とは何か?」というタイトルは実に鴨居玲らしいです。
あまり意識してなかったのですが、鴨居が自画像を量産するようになったのは、1982年に心筋梗塞による入院以後だそうです。
その後、1985年に自殺するまで、自画像を描き続けていて、絶筆も自画像だった、ということらしい。
作品数は38点ですが、まあ、入場料が500円だし、かなり空いていたので、ゆっくり拝見でしました。
ちなみに展示されている作品はすべて、笠間日動美術館の収蔵品です。
4.0
鴨居玲の作品を見ると、いつも沈黙してしまう。人間存在の根源を見つめる鴨居玲。自画像の画家といわれるが、自画像以外も鴨居自身に見えてくる。そしていつの間にか、作品を見ている自分とも溶け合ってしまう。鴨居が好んだという閑吟集の「憂きもひととき うれしきも 思い醒ませば夢候よ 酔い候え 踊り候え」。しかし、鴨居は酔うことも踊ることもできなかったのではないか。ムンクは叫んだが、鴨居は叫べなかった。
絶筆とされる作品、鴨居本人が求めた額に入れられた作品等々、新宿の喧騒の中にある小館ながら、静謐な空間で鴨居の作品と対峙する時間が持てる。
4.0
目を瞑り口を開け何かを訴えかけてくる自画像。苦悩か悲しみか、虚空の背景が不穏な空気を醸し出す。
ふすまに描かれた「自画像・首吊り」はとてつもなくおぞましい。
腹の出た酔っぱらいのおじさんはブツブツ呟き、老人は慟哭している。
騒がしい人物像と対称的に静かな画面に浮くシンプルな教会。空に岩!
やはり、これらの絵も不安や絶望がひしひしと感じる。
だが鴨居玲の絵には人を惹きつけて離さない不思議なエネルギーが有る。
小さな空間だが見応えが有る。
4.0
こぢんまりとした会場内に約40点の作品が並び、そのうち17点が東京初出展のこと。
人も少なく、作品との距離も近いので、落ち着いてゆったり鑑賞。
序盤は自画像が並び、後半は海外滞在先での作品が占めている。
絶筆とされている自画像の鮮烈な朱を帯びた赤は鮮烈だ。
『私の話を聞いてくれ』と言う作品は思っていたよりもサイズが大きいので
大迫力で圧倒された。
どことなく全体的に陰鬱とした印象の彼の作品は暗いながらも力強いエネルギーに
満ち溢れている。こういった所が惹き付けられる所以だと、個人的には思っている。
ポストカードもあるので、鑑賞記念に購入してはいかがだろうか。
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