4.0
スキャンダラスなイメージの作家だが、今回はストイックな絵画
ダミアン・ハーストには、ホルマリン漬けとかダイヤモンドの骸骨とかスキャンダラスなイメージを持っていた。今回桜だけの展覧会ということで正直あまり期待していなかったが、意外にも西洋絵画の歴史のコンテクストを参照して制作しているというストイックな面がわかった。公式サイトでも見られるが、そうしたハーストの別の一面がわかる展示室奥のインタビュー映像は参考になった。
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イギリスを代表する現代作家であるダミアン・ハーストは、30年以上にわたるキャリアの中で、絵画、彫刻、インスタレーションと様々な手法を用い、芸術、宗教、科学、そして生や死といったテーマを深く考察してきました。最新作である〈桜〉のシリーズでは、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させました。それはまた、1980年代後半以降、継続的に抽象絵画を制作してきた作家にとっては、色彩や絵画空間に対する探究の大きな成果でもあります。大きいものでは縦5 メートル、横7メートルを超える画面に描かれた風景は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の下に身を置いた時のように、私たちを幻想的な世界に誘います。
2021年、カルティエ現代美術財団は本シリーズを世界で初めて紹介し、高く評価されました。この度、春には国立新美術館に、国内で初めてのハーストの大規模な個展が巡回します。本展覧会のために、107点から成る〈桜〉のシリーズから作家自身が作品を選び、展示空間を作り上げる予定です。
◆ ダミアン・ハースト Damien Hirst
1965年、英国ブリストル生まれ。リーズで育ち、1984年からロンドン在住。1988年、ゴールドスミス・カレッジ在学中に、学生と共に作品を展示した「フリーズ」展を主催。同展はハーストだけでなく、その他の新進アーティストのキャリアをスタートさせるきっかけになるとともに、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)」の誕生を示すものとなった。1995年にはターナー賞受賞。彫刻、インスタレーション、絵画、ドローイングといった創作活動において、生と死、過剰さ、儚さといったテーマを探求する。これまでに2012年にはロンドンのテートモダンにて大規模回顧展となる「ダミアン・ハースト」展、ヴェネツィアのパラッツォ・グラッシおよびプンタ・デッラ・ドガーナにて2017年に「難破船アンビリーバブル号の宝物」展、2021年パリのカルティエ現代美術財団で「ダミアン・ハースト 桜」展を開催。日本では2008年の「英国美術の現代史:ターナー賞の歩み」、2009年の「医学と芸術:生命と愛の未来を探る」(共に森美術館)などへの出展歴がある。
会期 | 2022年3月2日(水)~2022年5月23日(月) |
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会場 | 国立新美術館 Google Map |
展示室 | 企画展示室2E |
住所 | 東京都港区六本木7-22-2 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
火曜日 ※ただし5月3日(火・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 1,500円 大学生 1,200円 高校生 600円
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/damienhirst/ |
4.0
ダミアン・ハーストには、ホルマリン漬けとかダイヤモンドの骸骨とかスキャンダラスなイメージを持っていた。今回桜だけの展覧会ということで正直あまり期待していなかったが、意外にも西洋絵画の歴史のコンテクストを参照して制作しているというストイックな面がわかった。公式サイトでも見られるが、そうしたハーストの別の一面がわかる展示室奥のインタビュー映像は参考になった。
2.0
大作が並んでいます。会場を贅沢に使用しています。すべて桜だからこそ圧巻なのか、物足りないのか、評価は分かれるかもしれません。
4.0
厚塗りのスポットを巨大なキャンバスに並べ桜を現出させた。印象派のようなポロックのような、まぁとにかく晴れ晴れしい。
日本人なら桜はどの角度でも体験しているので、受け入れやすさは万全。そのせいもあって、あちこちで作品をバックに写真を撮る姿を見受ける。子供も大喜びで作品の前でピースをしていた。会場はまさに「お花見」状態だった。初期の動物のホルマリン漬けからは考えられないw。
天井の高い広い展示室の国立新美術館によく似合う展覧会だった。
インタビュー映像で確かに横柄な感じはする作家だが、字幕の一人称を「俺」にするのはなんだか理解できない……。
4.0
平日の午後に訪問しましたが、意外と多くの方が観覧していました。とにかく大きいサイズの桜が壁面を一杯に飾ります。撮影可能です。どのようにしてあの質感が出せるのか不思議でしたが、最後にインタビュー映像があるのでそこでわかりました。それぞれの桜には題名がついていますが、あまりそのイメージは沸かなかったです。どの絵も大きく迫力があるので、見応えありました。
3.0
桜はこれから開花ラッシュのようですが、一足早くお花見気分になろうかとダミアン・ハーストの「桜」を見てきました。
2018年から3年かけて完成させたというのが、今回展示されている「桜」シリーズ。
その全107点の中からダミアン・ハースト自身が選んだ24点が展示(内、22点が個人蔵)。
抽象の技法(本人曰く「ベーコンの技法を用いてポロックをやった」)で描かれた具象(桜)。
展示数は少ないですが、サイズ大きめの作品が並びます。
会場奥の休憩室でダミアン・ハーストのインタビュー映像を上映しています。
24分55秒もあり長いのですが、せっかく会場に来たならぜひとも見ることをおすすめします。
今回の桜シリーズを描くに至るまでのダミアン・ハーストの心境や作風の変化、影響を受けたアーティストなどについて知ることが出来ます。
公式サイトでも見ることが出来ますが、作品をひと通り見てからインタビュー映像を見ると、少し違う見方でもう一度作品を見たくなるかも。
会場にはガイドマップが置かれています。
作品にはキャプション等が一切ないので、タイトルなどはガイドマップを見ないとわかりません。
「夢中で描いた絵だ 観客にも浸ってほしい」とインタビューで語っていたので、ただただ描かれた桜に囲まれて没入してほしいのだなと。
会場内は撮影OKでした(ただし動画はNG)。
グッズは種類も少なかったです。桜モチーフ、作りやすそうなのに。
「漢字桜」というタイトルの作品があったけど、どうして “漢字” なのかわからない。謎。
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