4.0
ドキュメンタリー
7月6日(日)13時15分入館
週末でしたが空いており、快適に鑑賞することができました。
写真撮影は、最初にある、キービジュアルが展示されているエリアのみ可。
1970年代から、当時はほとんど情報がなかった地域に入り、写真を撮り続けた野町和嘉氏の写真展。サハラ砂漠の砂丘の写真から、牧畜民の暮らし、メッカやペルーの巡礼者の写真などが、7つのテーマ別に展示されていました。
印象的だったのは、写真の中の人物の目力。レンズを見つめる目は、その人の人生を物語るかのように、凛としていて、美しい。
サハラ砂漠の砂も展示されており、それが想像以上にオレンジ色で驚きました。夜に到着したときは気が付かず、翌朝に外に出て初めて見た砂丘に驚いてシャッターを押した、と野町氏がインタビュー映像でお話されていましたが、あの色の巨大な砂丘はさぞかし幻想的だっただろうと思います。
インタビュー映像は、展示エリアを出たところで見ることができます。そのインタビューで、同じ場所を訪れても、今はもうかつてのような表情を撮ることができない、といったことを語っておられたのが心に残りました。グローバリズムやデジタル化は、私たちの周りだけでなく、大陸の奥地にも影響しているという事実。野町氏の写真はまさにドキュメンタリーなのだなあと、なんとも複雑な気持ちになりました。
大きな写真は、そこから感じ取れる熱量が違いますね。まだ見たことのない、そしてもう見ることは叶わないであろう景色に、思いを馳せた2時間でした。