5.0
鳥々 藤本能道の色絵磁器
ガラス作家によるガラス製の素敵な手摺の螺旋階段を地下へ降りると、展示室に続いていました。藤本能道 による鳥を中心として、様々な図柄が写実的に描かれていて、見ごたえがありました。
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藤本能道(ふじもとよしみち 1919~1992)は写実的で奥行のある色絵を追求し、1986年に色絵磁器の重要無形文化財保持者に認定されました。絵具の濃淡でモチーフを立体的に描き、それを白磁の肌と一体化させて見せるために、背景を表す技法として「釉描加彩(ゆうびょうかさい)」を開発します。主なモチーフは鳥です。色絵の魅力は絵具や釉薬の重なりによる層状の表現にありますが、鳥を描いた色絵の下層に水彩画のような淡い景色を表すことで器の奥へと広がる写実的な、それでいてやきものの文様としての抽象性も有する独自の表現を生み出したのです。
東京美術学校(現・東京藝術大学)で工芸図案を学んだ藤本は、陶芸の実技を身につけるため卒業後に同校敷地内に設置されていた文部省工芸技術講習所に入所し、後にともに色絵磁器で重要無形文化財保持者となる富本憲吉(とみもとけんきち 1886~1963)、加藤土師萌(かとうはじめ 1900~1968)に指導を受けました。実家はやきものとは関わりがなく、講習所卒業後は個人の制作を続けながら富本の助手、陶磁器デザイナー、あるいは指導者として、東京から岐阜、京都、和歌山、鹿児島など各地を転々としていきます。京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)に勤務していた時代には走泥社やモダンアート協会に参加しオブジェ陶で注目もされますが、1962年に東京藝術大学助教授に就任以降、環境を整えながら徐々に色絵に専心していくことになります。
本展では、1970年代半ばから最晩年の91年までを中心に、素材や技法を開発して色絵磁器に本格的に取り組んだ充実期の作品を通して、藤本能道の制作を紹介します。
| 会期 | 2025年6月7日(土)~2025年9月28日(日) |
|---|---|
| 会場 |
菊池寛実記念 智美術館
|
| 住所 | 東京都港区虎ノ門4-1-35 |
| 時間 |
11:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
| 休館日 |
月曜日、7月22日(火)、8月12日(火)、9月16日(火) ※ただし7月21日、8月11日、9月15日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,100円 大学生 800円 小中高生 500円 |
| TEL | 03-5733-5131(代表) |
| URL | https://www.musee-tomo.or.jp/ |
5.0
ガラス作家によるガラス製の素敵な手摺の螺旋階段を地下へ降りると、展示室に続いていました。藤本能道 による鳥を中心として、様々な図柄が写実的に描かれていて、見ごたえがありました。
5.0
虎ノ門駅から各国の大使館が並ぶ通りを徒歩で10分、高台にお洒落な美術館がありました。館内に入り展示されている陶磁器を鑑賞して驚きました。そこに描かれていたのは、まるでカメラで撮ってプリントをしたような、写実的な野鳥の姿です。磁器に描かれた絵画とは信じられません。どの鳥も、今でも飛び立つように感じられました。バードウオッチングが趣味な私は「カワセミ」の姿と、独特な色彩が見事に、陶磁器の側面に描かれているのを、感嘆して眺めていました。
3.0
陶磁器の絵付けというよりは、もう完全に絵。とても写実的で驚きました。鳥もそうなのですが、草木もすごい。いいもの見せてもらえました。
5.0
11時開館の15分後ぐらいに入館。鑑賞時間1時間強でしたが、気が付くと私の前後に居た10名程の人達は居なくなっていて、嬉しい事に貸し切り状態でじっくり堪能することが出来ました。
写真撮影可能、どこまで近づいてよいのか返って判断に迷う展示の仕方。
ちょっと危なげな感じがしつつも、立ち位置(角度)を変えて作品を観る事が出来るので、大いに作品を楽しむことが出来た大満足な展覧会でした。
作品に解説はなく、長い長い作品名(例.「梅白釉釉描色絵金銀彩尾長翔ぶ六角筥」)とサイズ、制作年等が書かれたものが多くありましたが、藤本能道著の「やきもの絵付一二ヶ月」から引用して添えられてるものがいくつかあり、引用などが面白く、鳥好きの私には作品や引用は見応えが多く楽しむことが出来ました。
解説パネルは私みたいなど素人にはとても分かりやすく書かれていて、解説のおかげでなんとなく九谷焼っぽい色だなと思っていた訳が分かりました。
藤本氏は、九谷の五彩を基礎に、混色して中間的な色を作り出したそうです。
その混色・中間色で描かれた鳥たちの一部は、まるでそこに鎮座しているかのような存在感がありました。
大満足です。
リピート値引きがあり、併設カフェも魅力的なので、9月末までにもう一度観に行きたいと思った展覧会でした。
5.0
ポスターを見て、超絶技巧の鳥に惹かれました。
陶磁器に描かれた絵画のような超絶技巧にびっくり。
目指したのは「絵画」ではなく「文様」で、だんだん抽象的な表現に変化し、題材も花や昆虫に変化していきますが、個人的には超絶技巧の鳥が良かったです。
昭和天皇の行幸用に作成されたディナーセット、カラトリーやガラスのグラスも展示され、見ごたえありました。
写真撮影は、ほぼ可でした。
最後の方に、藤井氏の2人の師匠の作品も。
落ち着いた雰囲気の展示室、間近に作品が鑑賞できる展示台、ほんと素敵な美術館です。
5.0
額装されていてもおかしくないほど美しい絵が磁器に描かれている。白磁に冬枯れの湖面、翔び立つ一羽の鴨、山帰来の葉陰から出てきた鶉(ウズラ)のつがい。
四角や八角の蓋物や丸みを帯びた壺はどれも形はシンプルなだけに情緒の有る絵付がとても引き立つ。
作品の解説には描かれている鳥の写真が添えられていので特徴が良くわかる。
途中に藤本の言葉が有る。書き込み過ぎたり控え目にしてはつまらない。写実過ぎても文様に過ぎても良くはならない。白と色が助け合い、文様は凝縮されて曲のあるものであって欲しい、と。
なるほど、真っ白な地が美しく主役の鳥はとても自然で草木や水面は不思議な奥行きがあり、構図にデザイン性が有る。
所々に師である富本憲吉氏の得意な文様が施されているので作品にピリッとした緊張感を与えている。
晩年のぼかしを活かした絵付は大胆なデザイン性が顕著で幽玄な美の世界が広がっている。
そして、この美術館は展示方法がピカイチなので作品がより美しく鑑賞できるのが良い。
4.0
私は、焼き物に写実的な絵を描く作品が苦手です。物体をリアルに描くのであれば、キャンバスや紙の方が優れていると思っているからです。
今回展示されている1970年代初期の藤本作品を観ても、「鳥が綺麗に描かれているな」というような安っぽい感想しか持ちませんでした。
ただ、今回学芸員さんのお話を聞きながら観たのですが、説明の中で「写実ではなく文様である」という趣旨の説明を受けたこと、そして、藤本氏が以後様々な工夫で鳥のデザインが白磁に馴染むように、すなわち「文様としての抽象性」を強めていった作品を観て藤本氏が追い求めた表現が少しずつ理解できるようになっていきました(そのような順で展示してあります。)。なるほど、絵画というよりデザインなんだ、と(言い過ぎ?)。
それまで、混ぜ合わせてはいけないとされていた五彩の絵具の中間色を造ってみたりと、チャレンジングなこともしつつ、鳥を描くために鳥を飼ったり、飼えないものは剥製を入手したりという精力的な藤本能道氏の制作の道の一端が分かる展示でした。
ただ・・・、展示の最後、藤本氏が師事した方々の作品が数点展示されているのですが、私はそれらの作品の文様の方がより好きでした。
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「雪白釉釉描色絵金彩五位鷺図扁壷」 1990年 h32.6×w30.2×d18.7㎝ (撮影:渞忠之)
「色絵翡翠文八角筥」 1979年 h34.0×w32.0×d27.5㎝ (撮影:渞忠之)
「色絵木蓮と鵯八角筥」 1976年 h15.0×w30.0×d30.0㎝ (撮影:渞忠之)
「雪白釉釉描色絵鶉図四角隅切筥」 1990年 h7.0×w25.9×d26.2㎝ (撮影: 渞忠之)
「霜白釉釉描色絵金銀彩炎と蛾図扁壷」 1991年 h26.0×w24.8×d16.0㎝ (撮影: 渞忠之)
「霜白釉釉描色絵金彩燈火誘蛾図長四角筥」1991年 h7.0×w28.6×d15.8㎝ (撮影: 渞忠之)