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バラエティー豊かな道釈人物画の世界 楽しみました。
「道釈人物画」、ってあまり聞き慣れない言葉でしたが、禅宗を中心とする仏教、中国の道教、そして庶民の暮らしのなかで信仰されてきた神仏像や高僧、仙人などを描いた人物画のことだそうで、何のことはない、そのままの意でした(笑)。来春トーハクさんが、恒例の特集展示「博物館に初もうで」で、サブタイトルに「神と人をつなぐ祈りのかたち」なんて付いてますね。人と神仏の関係を普段よりちょっとよけいに考える季節。新年に行きたかった展覧会でしたが、ぐるっとパスの期限で、出かけました。
社寺に祀られている尊い神仏画、というより民間信仰に近い、庶民にも親しまれてきた道釈人物画だけに、教義などの制約がゆるやかで、様々な姿、表現・技法などもバラエティに富んでいて、楽しむことが出来ました。神仏仙人というより、キャラクターですね。人間味豊かで滑稽で、思わず笑ってしまう様なモノ、「怖い絵」に分類できそうなモノ、迫力満点のモノ、アニメヒーロー顔負けの雄姿、などなど見ていて飽きないというか、すっかりこの世界に引き込まれてしまいました。岡熊嶽原画 浮田重善文字絵 圓水賛《大黒天画賛》という変わり種もありました。経文からなる細密な「文字絵」で描かれた大黒天なのです。何かめちゃくちゃご利益がありそうですね。今回一番のお気に入りを上げるなら、難しいところですが、岩井江雲画 萬輝宗旭賛《達磨図》でしょうか。
絵画だけではなく、彫像もなかなかなものです。大倉集古館といえば《普賢菩薩騎象像》と《法蓮上人坐像》、と思っていたのですが、今回はお出ましではありませんでした。それでも今回、同館に伝わる珍しい木彫像《阿羅漢像》の六躯が並び、ケース越しではない状態で観られて、素晴らしく、感動です。江戸時代の作例ということですが、阿羅漢たちの表情だけでなく侍僧や動物、持物なども細部まで本当に良く作り込まれています。作者や伝来も不詳とは思えないほどの、非常に見応えのある木彫群です。これは見逃せないものと思います。
一部を除いて撮影もOKです。平日午前でしたが、泉屋博古館東京さんの「能と茶」よりも全然空いていました。地味?? とんでもない! 面白いですよ。お正月もやっています。ぜひ道釈人物画の世界、楽しんでみてください。














