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手仕事の伝統技術と現代の美、時空を超えて
藍と紅は、日本の歴史や文化、人びとの暮らしと深く結びつき、時代を超えて私たちの生活に彩りを添えてきました。今回大倉集古館さんは、布好き・きもの好き・工芸好きの私としては、外せない展覧会です。お彼岸だというのにいつまでも暑い今年の秋。素敵な「染」と江戸時代の粋なデザインにふれて、ちょっとだけ涼やかな気持ちになりました。会期末だけあって結構観覧者は多くはありましたが、混雑ということは全くなく、ゆっくり鑑賞出来ました。写真は全✖でした。地階で長板染めのVTRが見られました。
藍染の多様な世界にひたれます。「長板中形(片側から染料を注す友禅と違い、染液に漬け込む藍染の場合、生地の表裏を糊で防染して、この染の真骨頂の、白と藍のコントラストが鮮やかな美しい藍染となり、江戸の粋好みにとりわけ大人気となったそうです。)」の洗練された美しさと、粋なデザインは、感動ものでした。更に人間国宝の松原定吉・伸生の「籠染(筒状にした真鍮製の型の間に生地を通し、表と裏に異なる柄を同時に糊付けして染める)」技法による、両面が柄違いの浴衣地など、多分凄く貴重な品々‥。全て手仕事であるため、機械的なものには見られない味わいがある点も魅力です。それからまた会場で目を引いたのが、『手から生まれる自然(2013)』『藍の青(2015)』の現代の藍染美術家・福本潮子氏による大型インスタレーション《時空 Time Space》です。幻想的な雰囲気で超素敵です!! 出来ればもっと広めの空間で、あるいは薄く光の射しこむ空間で、見てみたかったのですが‥。次に感動したのは、山岸幸一氏が現代によみがえらせた紅花染の透明感あふれるそれでいて深みのある美しさです。言葉にはできません。幻の技法「紅板締め」も紹介されていました。何より昔の人々が、美しい布や染を愛し、大事にして代々伝えたり、隠れた部分でのオシャレを大切にしたり、そんな気持ちがとても暖かく伝わってきた展覧会でした。展示された品は個人蔵の物も多く、これだけのこれほどの品を観ることの出来る機会は、きっとソウはないと思います。江戸時代の優美な着物から現代アートまで、2つの色が紡いできた物語をたどりながら、この機会に日本の色彩文化の豊かさを改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。といって、またまた遅くなってしまいごめんなさい、会期は今日まででした。













