4.0
創作意欲
見逃せない気がして最終日に駆け込みました。
ポップカルチャーのアーティストイメージが強かったのですが
1枚の記念写真から流れ流れイメージのまま連なってゆく絵の数々、創作意欲に驚かされます。
社会や政治への関心も垣間見えて、とても興味深かったです。
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様々な手法と様式を駆使し、多岐にわたるテーマの絵画を生み出し続ける破格の画家・横尾忠則(1936-)。1972年のニューヨーク近代美術館での個展開催など、早くから国際的な知名度を得てきた作家ですが、近年ではその息の長い驚異的な創造力が注目を集めています。
2023年春、からだの衰えに淡々と応じつつ、テーマも決めずに大きなキャンバスに向かううち、横尾の「連歌」ならぬ「連画」制作が始まりました。和歌の上の句と下の句を複数人で分担して詠みあうのが連歌ですが、横尾は昨日の自作を他人の絵のように眺め、そこから今日の筆が導かれるままに描き、明日の自分=新たな他者に託して、思いもよらぬ世界がひらけるのを楽しんでいました。
「連画」は、気づけば川の流れのなかにありました。遠い昔に郷里の川辺で同級生たちと撮った記念写真。そのイメージを起点に、横尾の筆は日々運ばれます。水は横尾の作品の重要なモチーフの一つですが、いま、その絵画世界は悠々とした大河となり、観客の前に現れるのです。さまざまなイメージが現れては消え、誰も見たことがないのになぜか懐かしくもある光景――生も死も等しく飲みこんで、「連画の河」は流れます。
150号を中心とする新作油彩画約60点に、関連作品やスケッチ等も加え、88歳の横尾忠則の現在を紹介します。
「絵は、本当にわかりません。絵のほうが僕をどこかに連れていく。僕は、ただ描かされる。そのうち、こんなん出ましたんやけど、となる」―横尾忠則(2023年6月)
◆ 横尾忠則/Yokoo Tadanori
現代美術家。1936年兵庫県生まれ。1972年にニューヨーク近代美術館で個展開催。その後もパリ、ヴェネツィア、サンパウロの世界3大ビエンナーレに招待出品。アムステルダムのステデリック美術館、パリのカルティエ財団現代美術館、東京都現代美術館、東京国立博物館など、世界各国の美術館で多数の個展が開催される。2012年、神戸に横尾忠則現代美術館が開館。2013年、香川県豊島に豊島横尾館が開館。2000年、ニューヨークアートディレクターズクラブ殿堂入り。2015年、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。2023年、文化功労者、日本芸術院会員となる。著書には小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)、小説『原郷の森』など多数。作品はニューヨーク近代美術館、大英博物館など世界各国の主要美術館に収蔵されている。
| 会期 | 2025年4月26日(土)~2025年6月22日(日) |
|---|---|
| 会場 |
世田谷美術館
|
| 住所 | 東京都世田谷区砧公園1-2 |
| 時間 | 10:00~18:00 |
| 休館日 |
月曜日、5月7日(水) ※ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,400円(1,200円) 65歳以上 1,200円(1,000円) 大高生 800円(600円) 中小生 500円(300円)、 未就学児 無料
|
| TEL | ハローダイヤル:050-5541-8600 |
| URL | https://www.setagayaartmuseum.or.jp/ |
4.0
見逃せない気がして最終日に駆け込みました。
ポップカルチャーのアーティストイメージが強かったのですが
1枚の記念写真から流れ流れイメージのまま連なってゆく絵の数々、創作意欲に驚かされます。
社会や政治への関心も垣間見えて、とても興味深かったです。
4.0
いつもは出口の方の廊下から入場する。不思議なもので、普段は背後になるので、奥行きのある暗い教会廊のようなこの空間のイメージが乏しく、新鮮です。
1970年代に同級生たちと撮った一枚の写真をもとに描いた一枚の絵《記憶の鎮魂歌》。これが、タッチが変わって、マチスに、ゴーギャンに、ピカソに、印象派に、と七変化。「連画」という、イメージの連鎖のフレームワークに納められて、主題が次々とポップアップする。
同級生、甘美なノスタルジーは赤裸々なリアリティに展開。
河、これは、ものを流し、岸は世を分かつ。
男と女、強者と弱者、成功者と敗者、享楽と退廃。そして、戦争、安倍晋三銃撃。
この連想ゲームに、なんだか突拍子もなく、壺が登場すると、壺を中心にイメージが巡る。壺の中と壺の外。
巡り巡って、同級生の群像図のど真ん中に壺。
こうして、ふりだしに戻ります。
なので、鑑賞者の私も、いま一度最初から見直しです。
夢芝居のような、色彩溢れる150号の大画面の「連画」ワールド、少し屈折した躍動感に、すっかり惹きこまれてしまいました。
これは、ライブですね。
5.0
中学生の頃に出会い、40代になった今まで、いつも心のどこかで誰とも違った存在感を発揮してくれている大好きなアーティストです。
エネルギーにあてられて鑑賞後はクタクタになるときもありますが、“連歌”ならぬひとり“連画”、色彩豊かな大きなサイズの絵が中心なこともあり、絵画のあいだを行き来しているうちにパラレルワールドに引き込まれていくようでとても面白かったです。
連画作品群の起点となった絵は、50年以上前に撮影された記念写真に着想を得て、30年ほど前に描かれたものだそう。
(記念写真は割と普通で、ほほえましい感じすらしましたが)
絵画の連なりの中で、起点となった絵からかたちをかえつつも残っていくもの(川や鉄道橋)もあれば、現われては変転し消えていくもの(画家、牛、筏、メキシコの風景、壺など)もあり。
1巡目にはさらっと行き過ぎたものが、2巡目では目を惹いたり、3巡目ではじめて気が付いたり、過去作品がモチーフとして組み込まれていたり、まるで宝探しのようでした!
1枚の記念写真の記憶が、年月をこえてかたちをかえながら、現在を経由しつつ過去も織り交ぜつつ、不可解かつ不可思議な世界につながっているその瞬間を目撃している!立ち会っている! と、非日常感に気分が高揚しました。
スケッチブックもよかったですし、展示室内の映像ではアトリエでの様子も垣間見ることができて、嬉しかったです。
御年88歳とは思えない無尽蔵のエネルギーを浴びつつ・・・まだまだ活躍してほしい大好きなアーティストです!
5.0
東博の新作100点展示の展覧会後の注目の150号の大作中心、新作60点の展覧会。テーマを設けず
時間を主題にイメージを繋いだ作品が並びます。グラフィック時代、初期画家転向時代からのファンとしては嬉しい作品群、鮮烈な赤、ゴッホ、ゴーギャン、メキシコ、幼少期の記憶、Y字路などを想起させる作品に懐かしくも進化中の忠則作品の今が看取出来ました。?️可
4.0
GW初日に訪問。そこそこひとはいますがまだ空いています。入口がいつもと逆です。いきなり大きなサイズの絵がドドンとあります。その後の作品もすべて大きく、色使いも非常にカラフルで明るい気分になります。同じモチーフが繰り返し出現するところも特徴的です。何より作成年月日が2022から2025年までに集中しているところがすごいです。よく短期間でこれだけの作品が描けたなあと感嘆してしまいます。今後混雑が予想されますのでお早めにどうぞ。
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