4.0
これは、ライブです。
いつもは出口の方の廊下から入場する。不思議なもので、普段は背後になるので、奥行きのある暗い教会廊のようなこの空間のイメージが乏しく、新鮮です。
1970年代に同級生たちと撮った一枚の写真をもとに描いた一枚の絵《記憶の鎮魂歌》。これが、タッチが変わって、マチスに、ゴーギャンに、ピカソに、印象派に、と七変化。「連画」という、イメージの連鎖のフレームワークに納められて、主題が次々とポップアップする。
同級生、甘美なノスタルジーは赤裸々なリアリティに展開。
河、これは、ものを流し、岸は世を分かつ。
男と女、強者と弱者、成功者と敗者、享楽と退廃。そして、戦争、安倍晋三銃撃。
この連想ゲームに、なんだか突拍子もなく、壺が登場すると、壺を中心にイメージが巡る。壺の中と壺の外。
巡り巡って、同級生の群像図のど真ん中に壺。
こうして、ふりだしに戻ります。
なので、鑑賞者の私も、いま一度最初から見直しです。
夢芝居のような、色彩溢れる150号の大画面の「連画」ワールド、少し屈折した躍動感に、すっかり惹きこまれてしまいました。
これは、ライブですね。