岡﨑乾二郎
而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here

東京都現代美術館

  • 開催期間:2025年4月29日(火・祝)~2025年7月21日(月・祝)
  • クリップ数:32 件
  • 感想・評価:3 件
岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here 東京都現代美術館-1
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《Heads poking out, a shape with lion body and man's head. A gaze blank and pitiless as the sun. Embankment crowded, a vast image troubles my sight. Everyone shouting, voices affectionate, half-crying. We're all gonna die. Darkness drops again. I heard ducks floating.
Black rocks absorbed light. Was I all along born on the far shore? Cave pitch dark. Colors fade. Stretch out a hand. World already ended.
Spread legs. Never to perish again. Only a presence – the subtle movement of air as someone searched. Solely ephemeral presence lingers. I remember who I am. Earthquake shook. Sun black as sackcloth. Moon like blood. Stars fell to earth, fig tree dropping unripe fruit. Sky split apart, mountains and islands moved. Kings, slaves shouted,"Hide us from the throne, from the Lamb's wrath." Their day has come. I'm gonna faint!》
2024 Photo: Shu Nakagawa
《"What secrets lie within!" Moon pearls crowned garden walls. "Look how shadows dance!" Hark, Wind whispered phantom tales. "Stars sang memories deep. " "Time weaves silver dreams!" she shouted joyfully, "He lives!" And from the mountains the echo came back upon her, "he lives!"
"Is the spring coming?" Dawn mist cloaked emerald hills. "Do you have a garden?" Roses climbed ancient walls. "What makes the grass grow?" Rain whispered to the earth. "Where do old tales rest?" Time slept in shadows where moorland flowers bloom and fade.》
2024 Photo: Shu Nakagawa
《But in truth, the first creatures were driven from the sea. They fled. That's why so many of us get seasick. A mudskipper crawled onto the beach, raising its head. "Look," he said, beholding the vast expanse. "Thousands of miles of flat nothing."
Fish swim through water endlessly; no end to the water they swim. Birds fly through sky ceaselessly; no end to the sky they fly.
There is no reason. We skipped the light fandango, though in truth we were at sea. She said, "I'm home" leaving for the coast.
Darkness covered the empty earth; The Spirit hovered over waters. Let there be waters teeming with life, birds multiplying on earth. All that moves in sea and sky, each according to its kind, merely drifted through the world. Evening fell, then dawn broke.》
2024 Photo: Shu Nakagawa
《耳を押し当てその向こうの気配を探る。ベールは柔らかな襞を作って、顔に落ち、神秘的で触れられない何かを感じさせる。花嫁のベールほど美しいものはない、透明で儚く脆いのは純粋だから。次の日、彼女は花嫁のベールを買いに行った。
雨が降れば夏になる。丘の頂から湖が見えた。夏はどこにいるのだろう。見晴らしてもすべては春のまま。スミレの花びらは雨を欲して萎れ、身を窄めていた。
何週もの遅れを取り戻そうと冷たい春のあと、暑い夏が慌てて訪れる。リネンの清らかな香りは婚礼のための白い布の束、仕上げのアイロンがけを待っている。
石畳の街に、太陽が降り注いでも石は決して花に変わらず、白壁の家が緑に覆われるわけでもない。太陽は街のあちこちの小さな公園にただ夏の装いをさせる。夏は公園の芝生にも自由に伸びることを許さず、いつも短く刈り揃えられていた。》
2024 Photo: Shu Nakagawa
《Examine The Tone And Reasoning Too; Consider The face, How It Changes Hue/聆音察理,鑒貌辨色》2024 桶田コレクション蔵 Photo: Shu Nakagawa
《The Salt Of The Sea, Rivers Fresh, Scales Lurking Below, Wings Soaring Above/ 海鹹河淡 鱗潛羽翔》2024
《あかさかみつけ》1981 高松市美術館蔵 Photo: Shu Nakagawa
《まだ早いが遅くなる》1986 大原美術館蔵
左《山の向こうの中腹のちっぽけな村はすでに見えなくなり、ふたたび春が巡ってきた。葡萄の木はあたかも塀の笠石の下を匍う病める大蛇のように見える。生あたたかい空気のなかを褐色の光が動きまわっていた。似たりよったりの毎日が作りだす空白は伐り残した若木まで切り倒すだろう。日々の暮らしのなかで樹木の茂みは岩のように突き出ている。》
右《自分の暮らした村がこんなに小さく思われたことはない。太陽が姿をみせた。背の高いポプラの林は風に吹き動かされる砂浜のような格好をしている。切れ目のないその連続を見ているだけで眼がくらんでくる。変り映えしない日々の連続に酔うことができたなら象や蛇をしとめた気にもなれる。蝶が舞うようにそんな風に彼はものを識ったのである。》 2002 東京都現代美術館蔵 Photo: Ichiro Otani
Photo: Risaku Suzuki
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

絵画、彫刻のみならず、建築や環境文化圏計画、絵本、ロボット開発などの幅広い表現領域でも革新的な仕事を手がけ、さらには文化全般にわたる批評家としても活躍してきた岡﨑乾二郎。その活動の根底には私たちの「認識」と「世界」を結び直す力としての「造形」があります。

AIをはじめとする科学技術の革新、環境危機、政治状況の混沌…。私たちが捉えてきた世界、社会を制御してきた制度は急速に失効しつつあるように思えます。世界は崩壊しつつあるのでしょうか。

しかしその問いに対し、岡﨑は、「世界は崩壊しているのではない。動揺しているのは私たちの認識である。」と言います。岡﨑にとっての「造形」とは、私たちが世界を捉える、その認識の枠組み自体を作り変える力です。すなわち、認識を作りかえることで世界の可塑性を解放し、世界との具体的な関わりを通して認識の可塑性を取り戻すことです。造形とは、この二つの可塑性を実践的に繋ぎなおすことだと彼は言います。

近年国際的な評価も高まるこの作家が大きく転回した2021年以降の新作を中心として、過去の代表作を網羅しつつ、その仕事の全貌を展望します。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2025年4月29日(火・祝)~2025年7月21日(月・祝)
会場 東京都現代美術館 Google Map
展示室企画展示室 1F/3F
住所 東京都江東区三好4-1-1
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日、5月7日
※5月5日、7月21日は開館
観覧料 一般 2,000円
大学生・専門学校生・65歳以上 1,400円
中高生 800円
小学生以下 無料
TEL03-5245-4111 (代表)
URLhttps://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/kenjiro/

東京都現代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

やっと行けましたww

予めチケットを購入していたのになかなか行けず7月第2週にやっと行けました。

結果的に日曜美術館を見てからになりましたが、見てから行ってでよかったかな。
様々な経験の記憶を作品に投射している・・といったようなことを番組で言っておられましたが、長い長いタイトル含め各々にバックグラウンドがあるのだなと。
剛直な美術評論もされる方ですが、作品はとてもロジカルだなと。ギリギリまで論理化して可能な限り言語化までするというのが基本フォームなんでしょうね。

個人的にはアクリル画は3F(比較的最近制作したものが多い?)が好みでした。
特にキャンバスをT字に組んだ一連の作品はいいものが多かった印象。

1Fのアクリル画は左右に少し離れて覗くように見ると空間が立って、また違う見えかたが出来て楽しかった。3Fのアクリル画は普通に正面から鑑賞した方が良かった。
これなんでしょうな。病気をされた前後で何か変わったものがあるのかも。
個人的には病気をされた後の作品のが良かった。

ちょっと残念だったのが図録は見本なしの予約制(6,600円+送料←高っ!)でポストカードも販売されてなかったところ。(売り切れとも書いてなかったけど元々はあったのかな)まぁ印刷物では厳しいかも。あの色合いやマチエールは。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん、morinousagisanさん、アバウトさん

4.0

この色彩は実物を見ないとわからない

3フロア使っての展示。都現美の空間はとても素敵で、いつもワクワクします。
1階は、初期から2020年までの作品。最初期の《こづくえ》、それを原点にした「あかさかみつけ」シリーズの壁付オブジェから始まり、ペインティングのほかに、パッチワーク、タイル、絵本等、多彩。
2階は、脳梗塞で入院中に試みた自動作成画を少々。そして3階は最近の彫塑とペインティング作品がたっぷりと。迫力あります。

展示の中核はアクリル絵具を使ったペインティング。これ、写真や映像ではなかなかわからない。
凹凸ある半透光の絵具の色が重なる。色は混ざらずに交わる。ライティングによる微妙な陰影が、立体感ある筆致に表情を与える。
膨大な量の色彩造形表現に溺れそうになりつつ、次第に目が慣れ、感度が整い、作品を比較して見るようになると、岡﨑氏の繰り出す表現手法を次々と発見して、おもしろい。動と静、調和と緊張、闊達と怠惰、色々混ざっている。お好みは補色系の表現、緑は元気すぎて安らぎを与えてくれない。

3階の回廊にB5サイズ程の小ぶりな作品が数十点あり。小さい画角の細密な表現も、ひとつひとつに凝縮した世界があり実に魅力的。

白い巨大な彫塑は、得体の知れない物体だ。生物なのか、化学物質なのか、地中の泥炭なのか。まだゆっくりと動いているような気配を感じる。出口ホールに置かれた最後の一体、この謎の造形からギリシア彫刻のような調和の美を感じ、不思議だ。

撮影可はありがたい。ただし、私のiPhone14では色調をうまくとらえられず残念でした。

岡﨑作品の長い長いタイトルは略スルー。時々、作品から受けた印象の答え合わせ的に読んでみたが、だいたいがズレていて、ご愛嬌でした。

THANKS!をクリックしたユーザー
でれっとたんさん、komagatayaさん、黒豆さん、morinousagisanさん、アバウトさん

4.0

色鮮やかな絵とモノトーンの立体で、造形作家としての岡崎乾二郎を再認識する

岡崎乾二郎が画家ではなく、造形作家であることを再認識できる展示でした。このところ岡崎作品として見るのは、とても長いタイトルの付いた、色彩の鮮やかなアクリル絵具を使った抽象画だったから、なんとなく画家だと思ってました。ところが、今回の展示にあった初期の作品《あかさかみつけ》はプラスチックの板に色を塗って組み合わせたオブジェを壁に貼ったものだし、そのほかに最新作として比較的タイトルの短い彫塑作品もある。特に《あかさかみつけ》を見て、そこそこ昔に見たことを思い出して、この人は画家ではなく造形作家だなあと納得した次第です。

展示会場は1階と2階、3階に分かれている。構成は、岡崎が2021年10月に脳梗塞に見舞われて、6カ月入院したこともあって、「2020年までの仕事」と「2022年からの仕事」に分かれている。1階は2020年まで、3階は2022年から、2階には入院中に関連する展示となる。

興味深いのは1階の展示で、絵画や立体作品のほかに、プリント生地を使ったパッチワーク作品、タイルといった意外な作品も並んでいること。展示会場にある岡崎自身の解説によると、建築研究やテキスタイルパターンの案出、絵本づくりなど、美術の発表を前提としない分野に熱中していたそうで、その結果がパッチワークやタイルに結実した、とのことでした。そして3階が最新作を中心にした展示になる。まあ、3階で驚いたのは、見たことのない大きめの彫塑があって、脳梗塞後でもこういった作品が作れるのね、と感じたあたり。そもそも絵もあまり前後で違いがなくて、あんまり病後という感じがない。まだまだ作品を作っていきそうで、少々安心しました。ちなみに、会場にある作品解説は岡崎本人によるもので、読み応えがあります。

写真撮影可(一部不可)、図録制作中。

THANKS!をクリックしたユーザー
Camdenさん、morinousagisanさん

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《Heads poking out, a shape with lion body and man's head. A gaze blank and pitiless as the sun. Embankment crowded, a vast image troubles my sight. Everyone shouting, voices affectionate, half-crying. We're all gonna die. Darkness drops again. I heard ducks floating.
Black rocks absorbed light. Was I all along born on the far shore? Cave pitch dark. Colors fade. Stretch out a hand. World already ended.
Spread legs. Never to perish again. Only a presence – the subtle movement of air as someone searched. Solely ephemeral presence lingers. I remember who I am. Earthquake shook. Sun black as sackcloth. Moon like blood. Stars fell to earth, fig tree dropping unripe fruit. Sky split apart, mountains and islands moved. Kings, slaves shouted,"Hide us from the throne, from the Lamb's wrath." Their day has come. I'm gonna faint!》
2024 Photo: Shu Nakagawa

《"What secrets lie within!" Moon pearls crowned garden walls. "Look how shadows dance!" Hark, Wind whispered phantom tales. "Stars sang memories deep. " "Time weaves silver dreams!" she shouted joyfully, "He lives!" And from the mountains the echo came back upon her, "he lives!"
"Is the spring coming?" Dawn mist cloaked emerald hills. "Do you have a garden?" Roses climbed ancient walls. "What makes the grass grow?" Rain whispered to the earth. "Where do old tales rest?" Time slept in shadows where moorland flowers bloom and fade.》
2024 Photo: Shu Nakagawa

《But in truth, the first creatures were driven from the sea. They fled. That's why so many of us get seasick. A mudskipper crawled onto the beach, raising its head. "Look," he said, beholding the vast expanse. "Thousands of miles of flat nothing."
Fish swim through water endlessly; no end to the water they swim. Birds fly through sky ceaselessly; no end to the sky they fly.
There is no reason. We skipped the light fandango, though in truth we were at sea. She said, "I'm home" leaving for the coast.
Darkness covered the empty earth; The Spirit hovered over waters. Let there be waters teeming with life, birds multiplying on earth. All that moves in sea and sky, each according to its kind, merely drifted through the world. Evening fell, then dawn broke.》
2024 Photo: Shu Nakagawa

《耳を押し当てその向こうの気配を探る。ベールは柔らかな襞を作って、顔に落ち、神秘的で触れられない何かを感じさせる。花嫁のベールほど美しいものはない、透明で儚く脆いのは純粋だから。次の日、彼女は花嫁のベールを買いに行った。
雨が降れば夏になる。丘の頂から湖が見えた。夏はどこにいるのだろう。見晴らしてもすべては春のまま。スミレの花びらは雨を欲して萎れ、身を窄めていた。
何週もの遅れを取り戻そうと冷たい春のあと、暑い夏が慌てて訪れる。リネンの清らかな香りは婚礼のための白い布の束、仕上げのアイロンがけを待っている。
石畳の街に、太陽が降り注いでも石は決して花に変わらず、白壁の家が緑に覆われるわけでもない。太陽は街のあちこちの小さな公園にただ夏の装いをさせる。夏は公園の芝生にも自由に伸びることを許さず、いつも短く刈り揃えられていた。》
2024 Photo: Shu Nakagawa

《Examine The Tone And Reasoning Too; Consider The face, How It Changes Hue/聆音察理,鑒貌辨色》2024 桶田コレクション蔵 Photo: Shu Nakagawa

《The Salt Of The Sea, Rivers Fresh, Scales Lurking Below, Wings Soaring Above/ 海鹹河淡 鱗潛羽翔》2024

《あかさかみつけ》1981 高松市美術館蔵 Photo: Shu Nakagawa

《まだ早いが遅くなる》1986 大原美術館蔵

左《山の向こうの中腹のちっぽけな村はすでに見えなくなり、ふたたび春が巡ってきた。葡萄の木はあたかも塀の笠石の下を匍う病める大蛇のように見える。生あたたかい空気のなかを褐色の光が動きまわっていた。似たりよったりの毎日が作りだす空白は伐り残した若木まで切り倒すだろう。日々の暮らしのなかで樹木の茂みは岩のように突き出ている。》
右《自分の暮らした村がこんなに小さく思われたことはない。太陽が姿をみせた。背の高いポプラの林は風に吹き動かされる砂浜のような格好をしている。切れ目のないその連続を見ているだけで眼がくらんでくる。変り映えしない日々の連続に酔うことができたなら象や蛇をしとめた気にもなれる。蝶が舞うようにそんな風に彼はものを識ったのである。》 2002 東京都現代美術館蔵 Photo: Ichiro Otani

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