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「奇才 江戸絵画の冒険者たち」@あべのハルカス美術館 後期展示お薦め

感染者が増えないうちにと前期に出かけたのですが、見逃したのです。
和歌山・無量寺の「長澤蘆雪」襖絵を。
2017年の愛知県美での蘆雪展にも行きそびれ、ここを見逃せば和歌山最南端の串本まで出かけることになる。どうしても見たいと後期展示に出かけてきました。
《龍図襖》《虎図襖》は、向かい合い、その両脇二間の障壁画と合わせて同寺のしつらえを展示室で再現。《龍図襖》も《虎図襖》もかなりの早描きではなかったろうか。一気呵成に筆を振るったように観える。《龍図襖》の裏の《唐子遊図襖》琴棋書画する唐子、一緒に描かれている仔犬は、応挙の描く仔犬同様にコロコロ、モフモフと可愛く、蘆雪の意外にやさしい一面も垣間見える。《虎図襖》襖いっぱいに描かれた一歩前に踏み出した虎?ところが、後ろに回って《薔薇図襖》に目をやると、これが「虎」の正体だったのかと、クスっとにやけてしまいました。そうです、流れの中の魚を狙う猫、その猫を流れの中の魚から見れば・・・そうまさにかの襖に描かれた「虎」なのでした。そんなユーモアの持ち主でもあったのですね。師応挙の元を離れ、南紀で開花した蘆雪を観る思いでした。

大好き岩佐又兵衛
岩佐又兵衛筆《伊勢物語 梓弓図》都から3年ぶりに帰ってきて戸を叩く夫を描いています。又兵衛特有の「豊頬長頤」のお顔に再会し、ニンマリとしてしまうのです。又兵衛の生い立ちが影響しているのか、どの人物を見てもちょっと妖しげで、そこに心が惹かれます。

最期にオマケ 中村芳中筆《公卿観楓図》楓を愛でておいでの公卿様の後ろ姿は、確かに三角おにぎりです。シメジにしか見えない松など芳中の描くモチーフにこちらの心も緩み癒されました。

プロフィール

morinousagisan
阪神間在住。京都奈良辺りまで平日に出かけています。美術はまるで素人ですが、美術館へ出かけるのが大好きです。出かけた展覧会を出来るだけレポートしたいと思っております。
かつて関西のアートサイトに読者レポートとしてアートブログを掲載して頂いていたご縁で、展覧会担当の広報会社さんから私個人に内覧会や記者発表のご案内を頂戴し、「アートアジェンダアートブログへ投稿」という形を広報会社さんに了解頂いて、アートブログを投稿しています。アートブログは全くの素人の個人としての活動です。
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