奇想の天才絵師 河鍋暁斎
幕末から明治にかけての動乱期に自由な発想で生き抜いた河鍋暁斎(1831~1889)の作品展。
狩野派の伝統を受け継ぐ絵師でありながら美人画、仏画、花鳥画、戯画など多くの作品を手掛けています。
斎藤文夫コレクションと個人コレクションから、木版画を中心に展示されています。
暁斎と言えば「蛙」。リアルでカワイイ?!「風流蛙大合戦之図」から展示が始まります。
「東海道名所之内」「書画五拾三駅」のシリーズは地元の川崎を中心に展示。
おめでたい七福神や勇ましい鍾馗の図も、暁斎の手に掛かると緻密で繊細ながら、どこかユーモラスな雰囲気になります。
「狂斎百図」「暁斎楽画」では(ぬかにくぎ)(鬼の留守にせんたく)(蛙の児はかへるになる)などクスリと笑える作品が数多くあり、コロナ禍で沈みがちな気持ちも和らぎました。
版画作品がほとんどのなか、墨画の「鴉」はシンプルながら力強い筆使い。
美しい墨色は版画の鮮やかさとは全く違った雰囲気と魅力を放っています。
全体的に戯画、版画メインの展示でした。
川崎駅から濡れずに訪問出来る距離にありながら、良心的な入館料。展示内容も充実しているのに、認知度があまり高くないのか混雑する事なく鑑賞できます。
オススメの美術館です。