まだ見ぬ日本に出会う 広重 六十余州名所図会
会期、初日に訪問。
歌川広重の六十余州名所図会の全69図に、梅素亭玄魚のデザインによる目録1点を加えた70点を一挙に見る事が出来ます。
会場に入った途端に鮮やかな広重ブルーが目に入って来ます。
「東海道五十三次」とはまた趣が違う雰囲気なのは、やはり「縦の構図」だからでしょう。
現代ではポスター、スマホの写真も「縦の構図」が多いからか、何だかとても親しみがわく気がします。
同じ、広重の「名所江戸百景」も縦絵ですが、クローズアップを多用した「名所江戸百景」とは明らかに違う…。風景をみせる為の構図と言う気がします。
日本全国68カ国の名所を描いていますが、海辺の風景が多いのはやはり島国、日本ならではなんでしょうね。空と海のブルーが本当に美しいです。
また、雪の風景も広重ならではの叙情感たっぷりの静かさを感じます。
そして、とても良かったのが梅素亭玄魚のデザインによる目録。
「五畿内七道」に分けられ、色やフォント?!をそれぞれに変えて描かれていて、それだけで観ていて美しいと思えるデザイン。
こう言う細かい所に工夫がみられるのは本当に嬉しくなります。
まだ気軽に旅行にとは言えない世の中ですが、浮世絵で名所を旅するのもなかなか良いと思いました。