
デイヴィッド・ホックニー展
東京都現代美術館|東京都
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"Be yourself."
現代美HPにホックニーさんのインタビュー映像があって、その最後に「日本の若者へのメッセージを。」と請われての返答が、タイトルだ。
そしてそれはすべての人へとの付けたしもあった。画面の翻訳字幕では「ありのままで」とあった。
アーティストに限らず、何をするにもそうだなと老大家の含蓄あるお言葉を受け止めさせてもらった。
6月に続いて、7月酷暑の3連休に上京し美術館巡りをした。ホックニー展はその中でも楽しみにしていた一つだ。
上京初日の16時ごろに現美へとやって来た。暑いし、開幕初日だし、夕刻だし、まだそれほど客も多くはなかろうと踏んだのだが、あにはからんや、結構な入りだった。それも若い世代が多い。ほとんどが20~30代だ。
正直、私はデイビッド・ホックニー初心者なので、どれだけの作家なのかは測りかねてたのだが、この人気はただものじゃないとわかった。
チケット売り場の当日券列はなかったものの、会場最後のショップは店の外まで長蛇の列だった。
展覧会は時系列的に初期から最新作まで網羅されてる。
60年代から制作始めたイギリス人は、曇天で雨ばかりの母国に嫌気がさしたのか米国へと移住、温暖快晴の西海岸で明るく陽気に創作活動に励まれた(たぶん)、というのがメインストーリーだ。
で、終の棲家(たぶん)として選んだのが、フランスはノルマンディーで、現在に至る。
作風は全体的には、カラフルでわかりやすい風景画であり人物画。
たまーにアブストテイストも混じったりはするけど、これは何?って絵はないので、安心して見れる。
この安心感ってのは、現代アート見るときに個人的には重要視してるので、その点ではホックニーさん、グッジョブです。
会場に並ぶ作品は現美所有のものが多いのには驚いた。先見の明があったのか、これも当館学芸員さんのグッジョブなのかな。
ただ、こうやってレビュー書いてても展示リストがなかったので、作品名が書けないのが何とも歯がゆい。
館員さんに所望したら、会場にあるQRコード読み取るしかないとのこと。紙配布も、今後のHP掲載もないというのには参った。これは完全なBad job。
ロッカーに入れて来たスマホを取りに戻る気も起らず。会期はまだあるんだから、今からでもHPにリスト掲載希望する。
そんなわけで、どの作品がどうこうは書きません。前半から中盤の作品で印象に残ったのは、肖像画コーナーかな。
50分割の《ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作》は後半冒頭を飾る超大作。座って休憩しながら眺めましょう。
で、最後のコーナーが当展の目玉だろう(たぶん)。
それは、iPadで描いた超々大作《ノルマンディーの12か月》。全長90mにも及ぶ、PC絵巻物だ。
会場では1回折り返して収まる配置で、この作品だけゆっくり見てたら1時間かかるんじゃ?
解説によると、コロナ禍で引きこもってたときの作品だそう。
ホックニーさん、文明の利器を駆使することへは長けてたみたいで、iPadも上手く使いこなしてらっしゃる。
キャンバスも絵の具も筆も不要で、液晶画面をタッチするだけで絵が描けるとあらば、こんなに楽なことはないと言わんばかりに制作されたのかな。
まあ、お年寄りに最新機器与えたらこうなるパターンもあるということだ(笑)。TVゲーム好きなシルバー世代は多いからね。
私はこれを見てて万里の長城を思い浮かべました。
ウィキによると、現存作家の作品価格の最高記録はホックニーであり、その額なんと100億円超。
どんな人が買うんだろと想像を巡らせてみるのも楽しいかも。私の予想は、Apple社のCEOさんです。