コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ
東京国立近代美術館|東京都
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プロパカンダで描かれたものと、そうでないもの
8月になると戦争画の展示が増える。
学生の頃は夏休みになると、火垂るの墓などの映画をみて、半ば強制的にみせられて、二度と戦争が起こらないようにと平和について考える機会を与えられてきた。
いろんな感情が入り混じって、とにかくひたすら切なかった思いがある。
大人になった今は、8月になると美術館へ戦争画をみにいく。
正直積極的に足を運ぶわけではなく、実際に絵の前に立つと目を背けたくなるけれど、戦時中を生きた祖父母のことを想うと、そうすることが必要な気がして美術館へ向かう。
東京国立近代美術館は国の施設として歴史を後世に残す役割を担っており、多くの戦争画を収集・保管・展示している。
中でも藤田嗣治がフランスに帰化し、レオナール・ツグハル・フジタとなったきっかけの作品もある。
嗣治さんの後期の作品をより深く観れるようになるには、このことを考えなければならない。
展示概要に「昭和100年」「戦後80年」戦争体験を持たない世代が、どのように過去に向き合うことができるかが問われているとある。
確かに日本が戦地だった当時を知らない人が現代人のほとんどだけれども、ウクライナ情勢を目にするし、もしかしたら幼い世代は、アクション映画との区別もつかなくなっているかもしれない。
今回展示されていた中に、猪熊弦一郎さんの 《長江埠の子供達》があった。
猪熊さんは兵士が戦っている姿など直接的な戦争を描いておらず、悲惨な状況の中で美しいものを見つけようとして景色や人々などを描いたことを事前に知っていたので、その絵の前ではしばらく立ち止まって観察した。
他の従軍画家の心境はどのようなものだったのだろう。
この空の青はどういう気持ちで描いたのだろう、そのようなことを考えた。
従軍画家の描いた絵は、実写とは異なるものが伝わってくる。
プロパカンダで描かれたものと、そうでないものを見分けるのは難しい。
そのような歴史背景を学ぶきっかけが美術館・博物館の存在意義のひとつであることが伝わる展覧会だった。
それを抜きにして、モチーフを度外視して、技術に注目するとすごいなぁと思うものも多かったし、
アドミュージアム東京が所有するポスターは、広告デザイン→情報伝達の仕方として注目するものがあった。
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- BY berryberry