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徳川美術館は、江戸時代の大名家・尾張徳川家に伝えられた重宝、いわゆる「大名道具」を収蔵する美術館である。徳川義親(とくがわ よしちか 1886-1976)によって昭和6年(1931)に設立された公益財団法人徳川黎明会が運営する私立美術館で、昭和10年(1935)に開館した。
総石高61万9500石を領した大大名・尾張徳川家に伝えられた重宝のほか、明治維新後は徳川宗家(将軍家)や紀伊徳川家など大名家の売り立て品を購入、また岡谷家や高松家など多くの篤志家からの寄贈品を収めてさらに充実し、戦中戦後の災難混乱を免れて現在に至っている。
昭和62年(1987)秋には、開館50周年を記念して実施された増改築工事が完成し、名品コレクション展示室が加わった。収蔵品は徳川家康の遺品をはじめ、初代義直(家康9男)以降の尾張徳川家の歴代当主やその家族らの遺愛品を中心に、総数およそ1万件余りにおよぶ。
世界的にも有名な国宝「源氏物語絵巻」をはじめ国宝9件、重要文化財59件、重要美術品46件などを収蔵し、明治維新や第二次世界大戦の戦災などによって、多くの大名家の伝来品が散逸してしまった今日、徳川美術館の収蔵品は大名家のコレクションとして唯一まとまった存在となっている。また尾張徳川家の記録や文書類を収める研究機関・徳川林政史研究所を姉妹機関にもつ点も特徴的である。
大名の生活と文化を紹介する名品コレクション展示室では、尾張徳川家当主の生活の場であった名古屋城二之丸御殿を、時代考証に基づいて部分的に復元している。美術品とそれらが使われた空間との一体的な体系展示により、美術品単体の美にとどまらず、日本の伝統的な「構成の美」「取り合わせの美」を鑑賞することができる。
有形文化財として登録されている本館では、特別展や企画展示を随時開催している。平成16年(2004)には、近世大名庭園を再現した池泉回遊式の日本庭園が、隣接する徳川園内に作られた。尾張徳川家伝来の古書籍を収蔵する名古屋市蓬左文庫には、展示棟が完成し、連絡通路によって徳川美術館と一体化し、徳川園一帯は大名文化を総合的に体感できるスペースとなった。
「大名道具とは何か?」「近世大名とは何か?」という問いに答えることのできる唯一の美術館として、徳川美術館は、江戸時代の大名文化と、日本が誇る歴史遺産を今に伝えている。
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