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映画「女性の休日」

世界で最もジェンダー平等が進んだ国と言われるアイスランド。でも今から50年程前は日本とそれほど変わりなく、女性は家庭に入り家族のために尽くすのが当たり前で、社会人として政治に口をはさむこともできませんでした。この映画は、アイスランドが男女平等に大きく舵を切るきっかけとなった一日を振り返るドキュメンタリーです。


1975年10月24日、アイスランド全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだ、「女性の休日」という名のストライキ。


国営テレビの放送局は夫に託された子どもたちをテレビモニターのある一室に集めて、アニメを見せてやりすごし、新聞社は「女性の休日」を一面で取り上げるから、ストライキの前に当日の新聞記事を仕上げて欲しいと交渉します。「女性の休日」は、女性がいないと社会がまわらないことを証明しました。


その後、小さい頃に「船長になりたい」と言って大人にたしなめられた少女は、アイスランド発の女性大統領となり、弁護士になりたいと願った少女は、最高裁判官にまで登りつめます。


彼女たちは勇敢に闘いましたが、その対象は男性ではなく、考えの異なる女性でもなく、自分たちを不自由にしている社会の在り方そのものでした。だからこそ男性の協力を得て、今に至るのだと思います。平和や自由というのは「敵を倒すこと」の先にあるものではないのだと実感します。


「女性の休日」を先導した女性たちは、私の一世代上の年代になります。私は「女の子」だからという理由で四年制ではなく短期大学を親に勧められ、納得がいかずアルバイトで授業料を稼ぎ、五年制の夜間大学に進みました。成人式に振袖を贈ってもらった時、お礼を言いながら「このお金が大学の授業料に使えない理由は何なんだろう」と残念な気持ちがしました。


今「女の子」を理由に四年生大学を止められる人は減っているのではないかと思います。それは悔しい思いをした私たちの世代が次の世代に残した未来です。アイスランドには遠く及びませんが、少しずつでも、より良い未来を次の世代に残していけたら、と思います。


私が映画を観た時、終了後に拍手が起きました。こんな体験はインド映画「バーフバリ」を観て以来2度目で、「やっぱり映画館で観る映画はいいなぁ」と和やかな気持ちになりました。


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kiri25
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