5.0
素晴らしきかな 偶然の出会い
左上の絵は何に見える?ロボットの手?、竹?草原?
これは辰野登恵子の「Untitled97-3」という絵。untitleなので鑑賞者の想像が広がっていく。
現代アートコレクターだった元西日本シティ銀行頭取の方のコレクション展。名の通ったクリストやジャクソン・ポロックからこれまで知らなかった画家まで現代美術の宴を楽しんだ。それも無料で。
この展覧会は福岡市美術館の「コレクターズⅢ-Turning the World-展」(これは有料、でもたったの200円)の同時開催として開かれていたもので、コレクターズ展がまた素晴らしかった。
「コレクターズⅢ展」で展示されていたのは、ダリ、ミロ、シャガールなどの現代美術の先駆となる作家群、またバスキア、ウォーホルなどの現代美術。その中でも心を奪われたのはブランクーシの彫刻。本やテレビの2次元で見ていた時にはわからなかったそぎ落とされた造型の中から訴えてくる迫力に、心が震え作品の前を何度も行きつ戻りつしながら鑑賞した。
そして私の好きな塩田千春の作品に出会えたことも・・美術館の方に伺うと昨年福岡で制作されたものだそう。意図せぬ出会いに目も心も浮き立った。
さらに最近の若いコレクター2人の方のコレクションもよかった。新進作家の作品が並び、この中には未来の草間弥生ややなぎみわがいるかもしれないと自分が心惹かれた作家の名を心だけでなく、メモに書き留めた。彼らの作品が羽ばたくことを願って・・・