牛腸茂雄 写真展
“生きている”ということの証

市立伊丹ミュージアム

  • 開催期間:2023年11月3日(金・祝)~2023年12月24日(日)
  • クリップ数:9 件
  • 感想・評価:4 件
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
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『SELF AND OTHERS』1977年発行 ©Hiroichi Gocho
『SELF AND OTHERS』1977年発行 ©Hiroichi Gocho
『日々』1971年発行 ©Hiroichi Gocho
『日々』1971 年発行 ©Hiroichi Gocho
『見慣れた街の中で』1981年発行 ©Hiroichi Gocho
『幼年の時間(とき)』1983年発行 ©Hiroichi Gocho
『幼年の時間(とき)』1983年発行 ©Hiroichi Gocho
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1
牛腸茂雄 写真展 “生きている”ということの証 市立伊丹ミュージアム-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

本年に没後 40 年を迎え、『牛腸茂雄全集』(赤々舎)が刊行されるなど注目を集める写真家、牛腸茂雄(ごちょうしげお 1946-83)の回顧展を開催します。

新潟県に生まれた牛腸は、3歳で胸椎カリエスを患い、長期間にわたって下半身をギプスで固定される生活を余儀なくされたことから成長が止まり、生涯、ハンディキャップとともに生きていくこととなりました。10代からデザインの分野で非凡な才能を見せた牛腸にとって大きな転機となったのが、高校卒業後にデザイナーを志して進学した桑沢デザイン研究所で大辻清司と出会ったことでした。大辻は戦後写真史に重要な足跡を残した写真家であるとともに、新しい世代の礎となる才能を数多く見出した優れた教育者でもありました。「もしこれを育てないで放って置くならば、教師の犯罪である、とさえ思った」と、牛腸の才能を見出した大辻の説得により、牛腸は写真の道を歩むこととなったのです。

レンズを通して見つめる新たな世界を獲得した牛腸は、憑かれるように創造の世界に没頭しました。そして、限られた命であることを自覚し、「“生きている”ということの証」として写真集の制作に力を注ぎました。何気ない日常で出会った子どもたち、家族、友人と、静逸で淡々とした作品の奥からこちらを見つめる被写体のまなざしは、写真を通して「自分と世界との関わり」を探求しつづけた牛腸のポートレイトでもあります。そこには、日々のなかで「見ること」と「見られること」、「自己」と「他者」との関係性を意識してきた牛腸の深い洞察と、常にはじめて世界を見たような初々しさとが共存しています。

本展では、生前に制作された写真集『日々』1971年、『SELF AND OTHERS』1977年、『扉をあけると』1980年、『見慣れた街の中で』1981年に収録された作品と、未完に終わった『幼年の「時間 ( とき )」』、関連資料など約 200点を展示し、牛腸のまなざしに迫ります。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2023年11月3日(金・祝)~2023年12月24日(日)
会場 市立伊丹ミュージアム Google Map
展示室展示室2・3・5
住所 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日 月曜日 
観覧料 一般 1,000円(900円)
大高生 700円(600円)
中小生 400円(300円)
  • ※( )内は20名以上の団体料金
    ※兵庫県内の小中学生はココロンカード提示にて無料
    ※伊丹市内在住の高齢者割引有(平日は60歳以上、土日祝は65歳以上)
TEL072-772-5959
URLhttps://itami-im.jp/

市立伊丹ミュージアムの情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

”生きている”ということの証

初めて牛腸茂雄さんの作品を拝見いたしました。

とても良かったです!

伊丹美術館では第1会場、第2会場、第3会場と、見進めていくと、
牛腸さんの作品の変化を感じることができ、また、キャプションが一切なかったのも新鮮で、題名からくるイメージに囚われることなく作品を鑑賞することができました。

『SELF AND OTHERS』の作品はほとんど被写体の皆さんがしっかりとカメラを見ているのですが、彼らのその目線に「生」を感じ、そして『見慣れた街の中で』では街の中の一瞬を切り取ったその瞬間に「生」を感じました。

スケジュール帳にラジオ子供相談室のメモ(時間に関する質問)があったのが印象に残っています。

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん

4.0

待望の回顧展

伊丹市立美術館を訪れたのはこの展覧会が初めてでした。 展示室は大きくありませんが、全体のデザインは巧妙できれいです。 この展覧会には3つのホールがあり、それぞれに牛腸の代表的な写真集が展示されています。 印象に残ったのは第1展示室の「こども」、第2展示室の「Self and Others」(濱口竜介の映画に出場した双子のポートレート、牛腸のセルフ・ポートレート)、第3展示室のカラーフィルムで、いずれも写真史上で知られた作品です。 全体としては、コンポラ写真家の一側面をよく伝えていると思います。穏やかな日常感、安定感のある構図や光の使い方も特徴的です。撮影者と被写体との距離感の変化や初期の活動写真など、このような回顧展でなければなかなか味わえない写真家の「成長」もうかがえます。

THANKS!をクリックしたユーザー
アバウトさん、morinousagisanさん

3.0

「日常」を鋭く見つめる目

数年前 この伊丹市立美術館で開催されたアメリカの写真家「ソール・ライター展」で
写真の展覧会も面白いなと思った。その同じ美術館で写真の展覧会をするというので
興味を持って訪れた。
 自分たちが何気なく見過ごしている日常のなかに自分を表現するものを見つめる目を追体験した展覧会だった。それはソール・ライターにもいえたこと。
 絵画はイメージを作りこんでいけるけど、写真は自分の持つイメージを切り取らなければいけない。その緊張感を感じた。
 ただ牛腸茂雄で一番印象に残ったのは、短編映画の木漏れ日の表現。木々の葉の向こうからふりそそぐ日の光が心にも降り注いできた。
 グッズ売り場で牛腸茂雄とともにソール・ライターの絵葉書や写真集も販売していたので、展覧会担当者もソール・ライターを意識して今回の展覧会を開催したのかなと感じた。
 

THANKS!をクリックしたユーザー
karachanさん、morinousagisanさん

3.0

戦後の激動の時代、世代にあって「静逸で淡々とした作品」

没後 40 年、赤々舎から『牛腸茂雄全集』が刊行され、Twitterや私が見ているアートのサイトでもこの難読漢字の写真家の名前を今年は何度も眼し、久々に伊丹の美術館にも行きたいしと出かけてきました。昨年秋日美でも紹介されました。

3歳で胸椎カリエスを患い、自分の運命を受け入れ、折り合いをつけながら36年という短い生涯を終えた写真家でした。
自分で自立できるようにと早くから先を見据え、商業高校へ進学し、在校中に資格も取っています。グラフィックデザイナーを目指して上京します。桑沢デザイン研究所で写真家大辻清司と出会い、大辻は「もしこれを育てないで放って置くならば、教師の犯罪である、とさえ思った」と、牛腸の才能を見出した大辻の説得により、牛腸は写真の道を歩むこととなったのです。
ドカーンと大きな衝撃が走るような写真ではなく、解説にあるが如く「静逸で淡々とした作品」でした。日々を、時代の片鱗を記するような。20歳までも生きられないかもと言われていたそうで、覚悟を持って日々を送っていたであろう牛腸茂雄の淡々とした自分が生きた証の様な作品でした。
牛腸のスケジュール帳は、細かな字でびっしりスケジュールがびっしり書かれており牛腸の几帳面な性格が出ています。3歳上の姉宛ての手紙も展示され、姉に宛てて書きながら、自分の中で自分の考えをまとめ今の自分を確認していたのではないでしょうか。
師、大辻に薦められて始めた写真ですが、やはりそこは機材も重たいし、撮影の移動もあるしで、体力的にもそれはそれはきつかったのではないでしょうか。彼ならデザイナーとしても成功していたような気もしましたし、それならもっと長生きできたかもしれないとも勝手に思いました。
戦後すぐの生まれで、団塊の世代の先頭に立った世代です。劇的に変わりゆく日本を眺めながら。
伊丹は工藝(クラフト)を支援し、作家さんの発表の場を作っていますし、手ごろな価格帯でそれらの作品をかつての造り酒屋を利用したショップで買うこともできます。
造り酒屋の街「伊丹市」ですが、工藝(クラフト)を支援している街でもあることももっとPRして良いと思います。

THANKS!をクリックしたユーザー
misako821さん、DIRISENさん、uchikoさん、karachanさん、黒豆さん、他1人

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出展作品・関連画像IMAGES

『SELF AND OTHERS』1977年発行 ©Hiroichi Gocho

『SELF AND OTHERS』1977年発行 ©Hiroichi Gocho

『日々』1971年発行 ©Hiroichi Gocho

『日々』1971 年発行 ©Hiroichi Gocho

『見慣れた街の中で』1981年発行 ©Hiroichi Gocho

『幼年の時間(とき)』1983年発行 ©Hiroichi Gocho

『幼年の時間(とき)』1983年発行 ©Hiroichi Gocho

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