5.0
グラスアートとインダストリアルデザイン
ガラス好きの友人に誘われて訪れた展覧会。
前回訪れたのは「ルネラリック展」。陶芸美術館だが、私とこの美術館はガラスとの関係が深いようだ。
自分の中では、アールト夫妻のイッタラの、インダストリアルデザインのイメージが強いフィンランドだが、今回の展覧会で各作家の個性が出た作品、グラスアートと呼ぶにふさわしい作品を堪能した。
余計な装飾を排除し素材のフォルムや厚みで魅せるグンネル・ニューマンという作家の名は初めて知った。39歳で病気で亡くなった女性作家。夭折していなかったらどんな作品を展開していただろうと思いを馳せた。
タピオ・ヴィルッカラは、氷山や氷を思わせる無色のきらめきが印象的。前述のグンネル・ニューマンの「エリザベス」という作品はフィンランド政府からのエリザベス女王の結婚祝いに贈られたので作品名となり、またタピオ・ヴィルッカラの作品もフィンランドが他国への贈り物としたものがあった。フィンランドにおいてグラスアートの価値が高く評価されており、世界でも評価されている証であろう。
他にもガラスの色で個性を発揮している作家やまだ若く今躍進中の作家など、これまで知らなかったグラスアートとの出会いを楽しんだ。
でも私が好きなのはやはりアアルトの柔らかな曲線のフォルム。
丹波の緑が映える美術館で、「アアルトフラワー」の緑がきらめいていた。