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反復の哲学を学ぶ
横尾忠則現代美術館は今回3回目の訪問、2年前の初訪問より横尾さんの書籍を読むようになりました。「原郷の森」も読破し、その世界観をリアルに感じることができる展覧会、とても楽しみにして来ました。
生と死のはざまの世界で、亡くなった先達の芸術家たちと激論を交わす主人公Y、この主人公Yは横尾さん自身か、理想の自分像か、この世界観は、夢か想像か、実体験か、そのグレーゾーンを感じながら、作品を見ると、30年も前からの構想であることがわかり、横尾さんの人生そのものだと理解しました。
今回、Y字路、ピンクガール、寒山拾得などシリーズとして繰り返し描いていること、また、過去の名作(アンリ・ルソー、ポール・デルヴォー、ジョルジョ・デ・キリコ等)をベースとしたオマージュ作品から『反復の哲学』を学びました。
元イラストレーターであった横尾さんが、アンディ・ウォーホルのような資本主義を逆手にとった大量生産・大量消費を皮肉る視点もあり、オマージュ作品を見るたびに楽しくなり、横尾さんの人生の追体験が出来ました。