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川端康成も好んだ日本画家石本正の女性像、 知らなかった日本画家を知る機会になりました。
日本画家・石本正を私は全く知りませんでした。
①舞妓さんをいっぱい描いた人なんだ
②最晩年まで絵筆を手にのとても幸せな画家さんだぁ
③川端康成のその死のすぐ直前まで親交があり、鋭い審美眼の川端が認めた女性像だったのですね。
④好きなご長寿女性画家、秋野不矩とは姉と弟のような関係だったことにも驚きました。
200点にも及ぶ作品(素描も含む)その画業を辿る展覧会でした。
作品のほとんどは島根県浜田市立石正美術館の所蔵です。
作家ご本人による作品の寄贈を機に作家の希望もあっての建物になっていて、外観の写真がありましたが、これがまた素敵で、出かけてみたいと思いました。
初期の 「少女『野べに』(大下絵)」は、キャプションをよむまでもなく村上華岳かと思うほどに似ています。
描き始めの頃よりサンドロ・ボッティチェッリ の三美神に憧れ、念願のヨーロッパへ44歳にして初めて出かけて
以降は学生たちを伴っても何度もヨーロッパを訪れていて、その風景画も私はいいなぁ~と思いました。
素描もたくさん展示されていて、デッサンを何度も何度も描いて描きあがる、その過程があってこそですね。
官能的な女性像は、ちょっと苦手ですが、
幼いということもあるのでしょうが、舞妓ちゃんたちは日本的体型だったのが
50過ぎてからの作品が、よりボッティチェッリ の三美神に寄っていくように感じました。
舞妓や芸妓を見慣れた石本にしても、チラシのメインヴィジュアルになっている《のれん》のモデルになった舞妓が目の前に現れたときには、美しすぎてなかなか描けなかったとのエピソードはとっても”へぇー”ってなりました。
死の間際まで絵筆を手に瑞々しい作品を描けるなんてなーん手素敵なんだ!
京都・中信美術館でも「石本正 ―線に込める想い―」5/31まで(無料)が開催中です。