5.0
墨に五彩あり
タイトルにあるとおり、白と黒にスポットを当てた展覧会。
モノクロだから彩色がないというわけではなく、墨の幅広い色合いをじっくりと味わえました。
墨だけなのにあれほどの奥行きを表現できる狩野芳崖はさすがだなと思いました。
他にも近代絵画の奥行きは素晴らしかったです。
墨蹟は線の力強さと渇筆が見応えありました。何度か観たことがありますが、一休宗純の流れるような運筆と激しさも感じられる書きぶりはとても良かったです。
また印象的だったのは宇野雪村の《HO》と《凹》。あの時代にあの発想から作品を生み出していることがやはり素晴らしいと感じました。
特に《凹》は雪村を代表する作品のひとつといえるのではないでしょうか。
このほか、タイトルが思い出せませんが、猿の絵が可愛くて癒されました。
全体を通して大満足な展覧会でした。他にも陶芸などもあるので、多角的な視点からモノクロの世界を味わってみてください。