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贅沢な超名品で茶道具入門。
毎回人気の「細川家の茶道具」展なのだそうですが、茶事に疎い私には、どうも今一です。ただ永青文庫さんは、そんな私にもいつもながらに分かりやすい解説文で、とても助かり、それなりに楽しむことが出来ます。今回の展覧会では、千利休が所持していた『唐物尻膨茶入 利休尻ふくら』や『瓢花入 銘 顔回』をはじめ、利休と細川三斎ゆかりの名品を中心に、細川家に伝わる茶道具の数々を展覧していました。毎度毎度ながら、とにかく細川家の歴史と人脈に思い知る品ばかりです。印象的だったのは「古田織部書状」は裏面の「花伝書抜書」が透けて見えており、裏面などを再利用したも手紙などは「紙背文書」などと呼ばれるそうで、安土桃山時代のSDGsですね。そして《蛤蒔絵香合 銘 磯の波》には感動しました。あと肖像画《沢庵宗彭像》と沢庵宗彭筆の《台雲》も見物でした。少し蒸し暑い日でしたが、梅雨の晴れ間、椿山荘の雲海と、肥後細川庭園の静かな風情と、早稲田の會津八一記念博物館の「富岡コレクション」屏風絵と「少女の友」の特別展示とを一緒に、楽しむことが出来ました。