細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―
永青文庫|東京都
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三斎と織部の手紙交換は、まるで「楽しいLINEラリー」と想像する。
展覧会では、細川家に代々継承されてきた、恐れ多い茶道具(利休旧蔵、三斎ゆかりの名品、古田織部作品ほか)を陳列。
その中でも、今回一番の驚きは、古田織部 から届いた書状の裏面に、細川忠興(三斎)が『風姿花伝』(世阿弥の能楽論書)を書き写していたこと。これは、2021 年に東京大学史料編纂所と永青文庫で行った「解体調査」により判明したと(どれだけお宝が潜んでいるのか)。
三斎と織部の手紙交換は、まるで「楽しいLINEラリー」と想像する。お二人の仲の良さまでも可視化された模様。
展覧会が開始してまだ間もないからか、土曜日の訪問にもかからわず来館客はそれほど多くなく、静かなストレスのない展示室でゆっくりと鑑賞できた。
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・大西浄清作《四方釜 銘 とまや》江戸時代(17c):「見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ」藤原定家『新古今集和歌集』
・《呼継茶碗》桃山~江戸時代(16-17c):有楽斎好みで継がれたもの。
・《南蛮芋頭水指》15-16c:細川三斎、水指を割り兜に詰めて戦地を持ち歩いたと。
・千利休作《茶杓 銘 ゆがみ》桃山時代(16c):茶杓 銘 泪の双璧
・重要美術品《唐物尻膨茶入 利休尻ふくら》中国 南宋~元時代(13-14c)
・千利休作《瓢花入 銘 顔回》 桃山時代(16c)
・千利休作《竹蓋置》 桃山時代(16c)
・《古田織部書状(第一紙紙背)細川忠興(三斎)宛》桃山時代(16c)
・《茶カブキ記録(第十三紙紙背)》天正14年(1586)11月2日:「五種類の茶を飲み、銘柄を当てる」アソビ。
・沢庵宗彭筆《放下着》江戸時代(17c):全ての執着、悟りを捨て去る
・唐物茶壺 銘 亀壺 中国 元~明時代(14世紀)
・《青磁香炉 銘 もしほ火》中国 明時代(15-16c):「なびかじな 海人の藻塩火焚き初めて 煙は空に くゆりわぶとも」藤原定家『新古今集和歌集』
・《象嵌三足香炉》江戸時代(17c):八代焼(高田焼)
・《牡丹梅文堆朱茶器》中国 明時代(15-16c) :これこそ「ナツメ」。
・古田織部作《茶杓 銘 さかひ》桃山~江戸時代(16-17c):「逆樋」。竹の上下を逆に使って制作。
・細川三斎『数寄聞書』
・藤村庸軒『茶話指月集』
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